心臓が高鳴る。顔の距離が近すぎる。
「え・・・と・・・」
僕は言葉に詰まる。
「ん?いってごらん?」
いたずらっぽい笑顔。
「君が初恋の人に似ていたから・・・」
僕は顔をそむけてそう言った。
「へぇ~。そんな理由で他人にキスしようとしたんだ?本当は関係のない人なのに。嫌な奴だね~。拓也君は」
そう言って彼女は微笑する。
というよりからかってるだけ。
「怒って・・・ないんだ?」
「だから、嬉しいって。というか・・・」
彼女はそこで一旦区切る。
そして思いもしなかったことを真美は言った。
「同じだよ・・・」
ポツリと呟いた。
・・・!!僕は言葉を失う。
「同じって・・・?」
「私の好きだった人に君が似てるんだよ。でも、色々あってその人のことをほとんど覚えてない・・・んだ。だから、君を見たときひょっとしたらって・・・。そんなはずないのに・・・」
彼女は遠くを見て、昔を思い出すように・・・。
「そうなんだ。僕も。理由は伏せるけど、一部の記憶障害で・・・。もしかしたら、真美が初恋の人だったのかもね」
僕は冗談交じりにそう言った。
「もしそうなら・・・もしそうなら、運命だね」
彼女はそう言って微笑する。
「ありえないだろ。でも・・・・もしそうだったら・・・どうする?」
少し僕は真剣な表情になって言った。表面だけ。内心はからかって・・・。
「そうだったら、私は君に告白する!!」
真美は真剣な表情で言った。
「ありがとう。でも、確認する方法はないな。お互い記憶がないんだから。しかも、相手のプライバシーなのに過去を思い出させるように『どうして?』とかも聞けないからな」
「そうだね・・・。私は後々聞かされたけど、他人になんでかは言いたくないな・・・」
彼女は少し辛い表情を浮かべた。きっと・・・嫌な過去だったのだろう・・・。
「じゃあ、さっき、『嬉しかった』ってのはその好きだった人に僕を重ねたから・・・ってこと?」
「いや・・・違う・・・。そうじゃなくて・・・」
真美は一旦言葉を止めた