『あっ?手が痛いの?
いやぁーすいませんねぇ…
会議に使う資料が増えちゃってねぇ。
全く 山田のヤツは桃子さんにばっかり押しつけて!
私から𠮟っとくから!ねっ!』
品質管理課の内山部長が 声を掛けてきた。
桃子の右手の
黒いサポーターに気がついたからだ。
『あっ!いっ…いえ 大丈夫です!少し冷えたので
付けてるだけです。』
(よーしよし!課長だけあってさすがに目ざとい人だ。
家の引き出しの奥に 押し込んどいた
昔のサポーター
捨てなくてよかったー。
黙ってると一日中コピーとりで終わるから
これ見よがしに 付けてきたんだよ!)
自分の印象は下げず
目的は果たす
それが あざとOL桃子なのだ。
『私一人で 大丈夫です!もうすぐ終わります♡課長!』
つづく…