『高い城の男』
2024年初読み。
『高い城の男』
フィリップ・k・ディック
早川書房
もし、第二次大戦でドイツと日本が勝っていたら。
舞台はアメリカ。
日本からの役人やエリートたち、
スパイらしき男、
アメリカ人の古物商、
アメリカ市民たち、
ドイツの政治家や官僚たち。
様々な場面の、様々な登場人物たちが
自分の立ち位置を守るよう神経をすり減らす。
すべての登場人物たちが交じわることはないが、
作中の「イナゴ身重く横たわる」という、
アメリカが戦争に勝っていたらという世界を描いた一冊の本が話をつなぐ。
そして最後に登場する、その本の著書アベンゼン。
彼はディック自身だろうか。
戦争の歴史は変えられないが、
未来は作り出すものなのだと、
SFを読むと、そう強く感じさせてくれる。
初読みで、よかったです。
元旦は大きな地震がありました。
お見舞い申し上げます。
寒さも厳しさを増していて、
心苦しさを感じます。
日常が戻りますように。