『おいしいごはんが食べられますように』 | よつば生活 そして本のこと

『おいしいごはんが食べられますように』

実家に帰省していた。

台所のほんの一棚と、本棚の整理をした。

その中で見つけた本。


母は、本を買ってそのまま

ほとんど読んでいないタイプだと思う。


それを言うと、怒られるけど。


『おいしいごはんが食べられますように』

高瀬隼子 講談社


表紙はかわいい、とおもったけど

読んだ後で見直すとちょっと怖い。


サラリーマンの二谷は、

同じ職場の

ほんわかした雰囲気の芦川さんと付き合って、

ご飯をほぼ毎週家で作ってもらう。


一方で、食べることはあまり必要と感じていない。


このあたりの「食事」の感覚、

すごく面白かった。


私は芦川さんのように

おいしい〜を共有するタイプ。

無遠慮と言えば、そうなのかと身に沁みる。


もう1人のキーマン、

同僚の押尾さんの仕事への感覚はよく分かる。


会社でのそれぞれ仕事の仕方って、

不公平を感じると半端ないかも。

同じ給料体系で、評価する上司も同じなのに

頑張る人に負担がかかる。


仕事に甘い芦川さんタイプと

真面目な押尾さんタイプは必ずいる!!


しかし、

二谷はズルい。

なかなかの処世術を身につけている。


自分に不満を持って周りの人をディスりながらも、

他人には気取られず、

押尾さんとも芦川さんとも敵対はしない。


彼が潰した芦川さんのケーキのせいで、

話は急展開するのだが、


行き着いたラストの二谷の気持ちがつかめなくて、

私には不可解だった。


それが芥川賞なのだろう。

作品を読むといつもそう感じる。


そして、

無遠慮な自分を感じてしまう。


だから、本は読んだ方がいいんだろうな。



夫と喧嘩しながら山を降りていたら、

「喧嘩するなよー」と現れてくれた雷鳥さん


ありがとう!