『絵はがきにされた少年』
誰かに薦めたくなる本は
そんなには思いつかない。
小説は好みがあるし、
ノンフィクションは、
一面を切り取った話かもしれないし(失礼ですみません💧)。
でも、この本は
「一度読んでみて」とお薦めしたくなる。
『絵はがきにされた少年』
藤原章生 集英社
新聞記者の南アフリカ駐在時代に
現地の人を取材したり、知り合った人を書いた本。
いくつかのエピソードが何章かに分かれている。
前に作者の『酔いどれクライマー永田東一郎物語』を読んで、
文章が上手いなぁと感じて
ぜひ違う作品も読んでみたくなり
図書館へいった。
今回も、
読むまでは自分はアフリカについて知識もなく、
興味も持てなかったのに
面白くてどんどん読めました。
タイトルの話は
読んでから写真を見ると👀
クスッと笑えたりもする。
悲惨な話ではないのだ。
そう、
そこがこの本のねらいなのだろうか。
ピリッツァー賞を獲得した有名な
「ハゲワシと少女」についての話もある。
カメラマンはなぜ写真を撮って、
ハゲワシから少女を救わなかったのかと非難されたが、
その写真の真相も取材している。
なにより、
本の最後の2章は
自分の考え方を見透かされたようで
とても衝撃的だった。
単行本2005年発行。
文庫本2010年発行。
第3回開高健ノンフィクション大賞。
読めて、よかったです。