『白の闇』
ぶ、分厚い。
手に取ったときそう思ったけれど、
意外に読みやすく読めてしまった。
図書館では予約待ちなので、
早く読めてよかった。
『白の闇』
ジョゼ・サラマーゴ NHK出版
ポルトガル生まれの著者は1998年ノーベル文学賞受賞している。
「100de名著」というTV番組でも取り上げられた作品で、私の読むきっかけは新聞の紹介だったと思う。
感染が作品の題材ということで、コロナの今、図書館でも予約が重ねられているのだろう。
映画化もされている。
まだ観ていないけれど、あまりに悲惨な状況を忠実に再現することは無理かもしれない。
映画という映像で別の表現をされているのだろう。
とにかく、突然感染によって次々と目が見えなくなった人々の状況は悪くなるばかり。
助けもなく施設に閉じ込められて、
あげく施設でも理不尽な争いが起きる。
何度も人間として生きることを思い直す、
登場人物たち。
中でも、
1人だけ失明を間逃れている医者の妻には、
悲惨な思いや状況に負けず行動しなくていけないという、孤独な重圧がのしかかる。
先も見えない。
この本を読んで感じたことは大きく2つ。
人間という生き物の尊厳はどこから来るのか、
そしてそれはすごい力だなということ。
ときにこういう本を読むと、
人間として嬉しい。
この本を読んで、
この写真をアップしたくなりました。
戦争と食べ物、
2つとも人間が作り出したものなのだな。