『心にナイフをしのばせて』 | よつば生活 そして本のこと

『心にナイフをしのばせて』

ふと、何となく目に入った

関連本紹介ですぐ読みたくなった本。


『心にナイフをしのばせて』

奥野修司 文藝春秋 単行本 2006年第一版


全く知らなかったが

1969年、川崎の学校近くで、

高校生が同級生に殺された事件があった。


この本は

被害者家族や周辺の人々を取材した

ノンフィクション。


1997年、

いわゆる酒鬼薔薇事件が起きたときに

あらためて週刊誌連載で

掘り起こされた事件だそうだが


事件当時は、犯人も同級生ということで

少年法に配慮して、

報道はあまりされなかったようだ。


加害者はどうなったかではなく、

被害者家族のその後を伝えている。


壮絶だと思う。

家族には、裁判の内容もその後同級生がどうなったかも知らされず


ただ、自分の家族が殺されたという事実だけ知らされて、


家族へのケアはなく、

警察からも国からも

保護や援助はない。


この本はそういう被害者家族にスポットが当てられて、被害者に対する救済、

少年法や犯罪について考えさせられる。


感想はそこまで。


本の後半に、

加害者についての取材したことも書かれている。


この中で、

取材者が加害者のその後について被害者家族に伝えたとあるが、


私的には

知らせなくてもよかったと思う。


いくら事実でも知らない方が良いこともあるし、


加害者のことは十分に取材していないからだ。


ただ、

どうしてこんなことが起こったのかと、

やらせない気持ちになる。