『竜の耳を君に』 | よつば生活 そして本のこと

『竜の耳を君に』

勤務体制が変わり、

一月から割とハードな日々。


その中で、

図書館に予約した本が

ポツリポツリと用意されてくる。


休みの日は、まったり読もう!


『龍の耳を君に』

丸山正樹 東京創元社


出だしの1ページ目に、

「龍はツノで音を感知するから、耳が必要なくて退化した」

「使われなくなった耳は」「海に落ちてタツノオトシゴになった」


この文に惹きつけられた。


龍には耳がないという。

確かに、聾者の聾は龍に耳と書く。


以前耳の聴こえない方の不明瞭な発音という意味のタイトル『デフ・ヴォイス』を読んだ。この作品はその続編。


この本から読むと、前作の登場人物が多くエピソードも織り込まれているので


やはり最初の作品から読んだ方が良いと思う。


手話の話やろう者、口語についてなど

この作品でしか描かれないこともあり

エピソードが盛りだくさんで、

ミステリーの展開には少し強引な部分を感じました。


でも、グイグイ読みたくなりラストまであっという間!


当時ニュースになった学園建設騒動をモチーフにしたところが、今となっては少しつらくて悲しい。


昨年の事件は、

私の中ではまだまだ癒えない衝撃がのこっていることを認識。



ここから龍馬は飛び降りた、らしい窓!