私と夫は、22歳の時に結婚しました。
私は元々、結婚式を挙げたいと思わず
ドレスも着たくないし、指輪もいらないという考えでした。
そういうものが、とにかく苦手だったのです。
(※その為、成人式の写真もありません。)
当時の私は、「そういうものは絶対に必要では無い」と思う性格でした。
今でも、その考え方自体は変わっていません。
ですが、結婚式に関しては、夫の一言が私の考えを少し変えました。
夫はこう言ったのです。↓
「君はそれでいいのかもしれないけれど、僕には僕の、男としてのプライドがあるし
それに結婚式って、結局は家族の気持ちも大切なんじゃないかな。」と。
私はその言葉を聞いて、「本当にそうだな」と思いました。
こういう彼の実直な性格に、私は魅力を感じているのだと思います。
結婚式は、私一人の問題ではありません。
パートナーの気持ち、そして家族の気持ちも大切なものです。
いろいろ話し合った結果、私たちは結婚式そのものは挙げませんでしたが
「両家そろって家族写真を撮る」という形を選びました。
そのあと、両家みんなで移動して
レストランで食事をしただけの、ささやかな時間でした。
その時にお世話になったウエディングプランナーさんのお名前は
「金子さん」と言う方だったのですが
金子さんには、本当に、本当に、お世話になりました。
私達夫婦はお金も無く、ファッションセンスも無く
殆ど全てを、金子さんとスタッフの方々に
丸投げしてしまったような状態でした。(笑)
でも今、改めて写真を見返してみると
金子さんはとても素敵なタキシードとドレスを
選んで下さっていたのだなぁ~と、思います。

オーソドックスで、シンプルで、謙虚さがあり、変に背伸びもしていない。
流行りとかあまり関係のないデザインの衣装。(※もちろんレンタルです。)
きっと、「22歳の同級生カップルらしいデザイン」だったのだと思います。
金子さんのセンスは、どこをとっても大好きなのですが
私が特に「金子さんらしいな」と感じたのは、夫の装いでした。
ネクタイでも、蝶ネクタイでも、アスコットタイでもなく
夫に、リボンタイを選んでくださったこと。(笑)
少し子供っぽくも思えましたが
当時の彼のイメージには、リボンタイが一番合っている気がするのです。(笑)
私はドレスの好みを聞かれたとき、このように話しました。
「肌の露出は絶対に嫌ですし・・・(肩幅が夫より目立つので・・・)
手も出したくありませんし・・・(手が夫より大きいのです・・・)
ティアラや宝石類も・・・私には似合わない気がしますし・・・
それから、私は花屋に勤めているのですが・・・
一番好きな花を選ぶことができなくて・・・
とにかく、小さくて謙虚なブーケにしたいんです・・・」
そんなふうに、いろいろな自分の思考を金子さんに打ち明けました。
金子さんは、とても真剣に話を聞いてくださり
私に似合うシンプルなドレスや小物を考えてくださいました。
その中でも、私が一番感動したのは、ブーケ。
いろいろな花を豪華に束ねるのではなく
一種類の花だけで、力強く作られていたのです。
白いガーベラ。
「白いガーベラの花言葉は
“希望” “純潔” “純粋” “律儀” “無邪気”なんですよ。」
と、金子さんは笑顔で教えてくださいました。
あぁ、なんて素敵なんだろう。この花を、この一途なアレンジを
私の為に考えてくださった金子さんに、感謝しかありません。
この日の夫の気持ち、家族の気持ち、金子さんやスタッフの皆さんの気持ち。
それらを大切に抱きしめながら、生きていこうと思いました。
でも、この日
こんなに幸せな日なのに、私は少しだけ悲しくもなっていました。
「結婚式の日」なのに、夫との「最後の日」を想像してしまったからです。
始まりがあれば、終わりも必ず訪れる。
幸せな瞬間にこそ、孤独な瞬間を想像して、思いっきり感謝しよう。
そして、孤独な瞬間が訪れた時は、幸せな瞬間を思い出して、それでも希望を持とう。
私は神様には誓いません。
家族にも誓いません。
友達にも誓いません。
でも 私は、私自身に誓いました。
夫を必ず幸せにする!!
夫を絶対に守っていく!!と。
私は、少し扱いにくい
深くて静かな、謎の感情を持っている人間だと思います。
(※夫によく「君は謎の哲学者だね。」と言われているので・・・)
そんな私を、こんなにも愛してくれる人は、きっと他にはいない。
あれから33年が経ちました。
今でも、私はこの日の気持ちのまま夫を愛しています。
・・・と書きたいところですが
本当は、33年前のこの日よりも
今のほうが、もっと夫を愛しています。
結婚って、本当に素晴らしい。
人生って、本当に素晴らしい。