123 渋雲

渋い色のくもぐもが

気持ちを抑え込む


それだけでなく

息を殺して

寒気をもたらす


どこまでも広がる

くもぐもが

気持ちを閉じ込める


それだけでなく

息を枯らして

時間を削る


とうとうそこまで

渋色くもが

わたしにせまる


遠ざかるにも

どこをむいても

それはおいつき

おいつきつづける



それでもわたしは

歩みを

走りを

進めて


あなたの屋根を目指すのだ