YOTORA -6ページ目

YOTORA

   ね え    ほ ら 早 く !


   キ ミ の 時 代 が そ こ で 待 っ て る よ

青い空に白い雲はまばらに流れ
乾いた道に日は熱く蒸しつける
.
赤く咲きそろった躑躅(つつじ)に添うて
続く道の先は
深く新緑の木々に抱き包まれ
萌ゆる木々は
入道雲の湧き立つにも似て勢い激しく
重く色付く緑を空に向かって押し上げる
.
こんもりと生い立つ雲の下では
うっそうと広がる葉が
熱い陽を遮り道いっぱいに
涼しい影を落とす
小道は広く茂みに挟まれ
木々の根元は厚く茂みに埋(う)もれ
幹には固く
茂みより這い出した蔦(つた)が絡みつく
幹より
遠く道を覆って張り広がる枝は
幾重(いくえ)となく織り交わし
高く張り巡らす枝の葉は
のしかかるように生(お)い重なり
寄せ合う葉は
すっかり空を押し隠す
枝は風に揺れ
絶え間なく揺らぐ葉の切れ間より
日の光がこぼれ
いくつもの濃い葉蔭(はかげ)を貫(ぬ)けて
無数にこぼれる木漏れ日は
暗い小道に絶え間なく
瞬き映る
.
奥深く
立ち並ぶ木々の向こうより
射し込む陽だまりには
柔らかい葉に抱き包まれてあちこちに
紫陽花(あじさい)の小さな蕾がひしめいていた