熱中症は大丈夫ですか?
熱中症とは熱に中る(あたる)という意味で人にはもともと体温を調節する機能があり、体温が上がり過ぎれば自律神経の働きで末梢の血管が拡張し、皮膚に多くの血液が流れ込んで皮膚を赤らめ、熱を体の外に放出します。また、汗をかくと、汗が蒸発するときに体の表面から気化熱を奪い、体温を下げる働きをします。しかし、「高温」や「高湿度」の環境にいたり、そこで運動などをすることで体温が急激に上昇すると、体温調節機能が乱れてうまく体温を下げることができず、様々な体調の異常や症状を引き起こします。このように、高温や高湿度が原因で起きた体調不良の総称を熱中症といいます。同じ環境にいても、熱中症になりやすい人とそうでない人がいます。高齢者の方が最も注意が必要で、加齢により体に水分を蓄える力が減るのに加え、喉の渇きを感じる感覚が低下して水分補給が遅れたり、体の不調を自覚しにくいのです。さらに、加齢に伴い心臓や腎臓の機能が低下していることも多く、水分の出入りを調節する能力も衰え脱水症状を起こしやすいのも一因です。熱中症予防のための水分補給は1回にコップ1杯(200ml)程度で通常は1時間おきに、運動時は10~20分おきに冷たすぎない水を飲みましょう。熱中症というと、「炎天下に屋外で起こすもの」と思っていませんか?実は、高齢者が熱中症で救急搬送されたときの発生場所は、屋外より住居内の方が多いのです。 エアコンをつけると寒く光熱費がかさむといった理由でエアコンの使用を控える人もいますが、室温が28℃を超えないように冷房を使うことが大切です。