しかし、翌日。またあのおじさんが現れた。

夕方、操子、七恵、章平も集まった。

おじさんもいた。

七恵は、さっそく仲良くしている。

人懐こい奴だな…。

「あっ絢ちゃん、康ちゃん、塾終わったの?

 七恵たちも、学校のプールから帰って来たとこ」

そう言えば、最近こいつらに会ってなかった。

章平は夏バテしてて、家で安静にしてたらしい。

七恵は、家族旅行。操子はバレエ教室の発表会で

忙しかったらしい。

こんなガキでも、それなりに忙しいんだ…。

「あのね、操子がね、プリン作ってくれたの!

 おじちゃんも一緒に食べようね」

「今日のプリンは、おばあちゃんに教えてもらったの。

 おいしいよ!」

珍しく、操子も明るく話している。

「みさちゃん、お菓子作り上手だね」

章平が、操子に話しかける。

僕は、そんな章平が可愛かった。

「あのね、絢ちゃん。このおじさんはね、

 亮治って言うのよ。魔法に会える…なんて、変な事

 言うんだから!面白いおじちゃんなの」

七恵が、おじさんを引っ張って来た。

「あ…昨日はどうも」

おじさんが、軽く会釈した。

「こんにちは。僕は絢です」

おじさんは、「賑やかでイイですね」と言った。

「はぁ…そうですね。何か楽しいです」と

適当に話を終わらせた。

「絢も康も来たから、おやつにしますか。

 裏庭で食べるのが気持ちいいと思いますよ。

 さぁ、亮治さんも一緒にどうです?

 操子が作ってくれたプリンは、奥で冷やしてますし…

 紅茶かコーヒーでも淹れて…」

「有難うござまいす。ところで魔法には、いつ会わせて頂けるんでしょうか?」

はぁ?このおじさん、本当におかしいんじゃないの?

絵本の世界じゃ無いんだぞ??

魔法なんて有り得ないさ。

真志ーちゃんは、笑いながら、「後三日位かな?」と言った。

そして、店の奥に入り、何やら用意をしていた。

「康一、章平、七恵、手伝い頼む」

康一は、コーヒーのポットと氷の入ったグラス。

章平は、プリンの入った箱。七恵はスプーンと砂糖の入った瓶。

真志ーちゃんは、おぼんに、紅茶のポットとカップを持って

出て来た。

「私に着いておいで」


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丸作・愛理丸