今回は第19戦アメリカGPを各チームごとに分析していく。
「Red Bull」
レッドブルは今週、過去数週間で1番良い状態だった。
マックス・フェルスタッペンはスプリントから安定した走りで予選でもポールポジションを狙えるだけのスピードがあった。
レースではオープニングラップでシャルル・ルクレールに先行を許し、逃げ切りを許した。
また終盤にはランド・ノリスに追い付かれ、一時は抜かれるもその追い抜きがコース外からの追い抜きと判断されノリスに5秒ペナルティが科されレース終了後に3位にポジションアップした。
フェルスタッペンにとっては最低限のノリスより前でフィニッシュすることがレースでは出来、スプリントでは勝利を得るなど十分な週末となった。
一方酷いのはセルジオ・ペレスの方であり基本トップの争いから一歩引いた位置で今週末は過ごしていた。
レッドブルはワンマンチーム化していることもありコンストラクターズでフェラーリと8ポイント差まで迫られ、ペレスの復調が一刻も早く要求される。


「Mercedes」
メルセデスは今週なかなかセットアップが上手く決まらず終始、両ドライバーが苦戦していた。
予選ではジョージ・ラッセルがTern19でスピンを喫しウォールに直撃、この修理に多くの時間を要し、またパーツの仕様を予選時とは異なる以前のものに変更した為ピットからレースをスタートした。
またルイス・ハミルトンも予選は上手くいかず中国以来のQ1敗退となった。
レースでは2周目にハミルトンが昨日ラッセルが予選でスピンしたTern19で同様な形でスピンをしグラベルにハマりリタイアとなった。
一方ラッセルは遅い中段勢を上手く掻き分け、6位でフィニッシュした。
今週は完全に持ち込みセットを外したメルセデスだが今回のアップデートに対しスプリント週末がなければある程度は理解を深められたと予測され、今回のアップデートがハズレと判断するのは時期尚早だろう。


「Ferrari」
フェラーリは今週末、1番良い車だった。
今年のフェラーリはレースでは良いペースだが、予選が残念であり、逆に両方が噛み合うと勝利に繋がり今回はそれが非常に良かった。
予選ではセカンドローに位置し、Tern1でシャルル・ルクレールがトップに立つとその後は逃げ切り圧倒的な走りで勝利を手にした。
カルロス・サインツもスタートで3番手まで上げると、ピットでマックス・フェルスタッペンをアンダーカットすると、フェラーリ1-2でフィニッシュを迎えた。
フェラーリのアメリカGP1-2は2006年インディアナポリス以来の出来事である。
フェラーリが今回速かった要因は予選はドライバーのインタビューから温度を適切な状態でアタックに入れたことが非常に大きく、レースではスプリントで猛烈にアタックしていたによ関わらずデグラデーションが発生することがなく、タイヤに対して安心して走行できたことが大きいだろう。
今回のフェラーリの大量ポイントによりコンストラクターズ争いでは2位のレッドブルに対し8ポイント差に迫り、まだまだコンストラクターズ争いから目が離せない。


「McLaren」
マクラーレンは今週車の調子が決して本調子ではなかった。
予選ではランド・ノリスがポールポジションを獲得するもスタートが上手くいかずポジションを落とした。
終盤にはマックス・フェルスタッペンと熱いバトルをしたが、Tern12で抜いた際にコース外から追い抜きをし、ポジションを返さなかった為5秒ペナルティを科されレース後に順位が4位に転落した。
ノリスはフェルスタッペンに対しスプリントでも負け、チャンピオンを狙う身とすれば厳しい結果となった。
オスカー・ピアストリは安定した走りで5位でフィニッシュした。
全体的にはノリスのレース能力で善戦はしていたが苦しい戦いであり、次戦以降で車を上手くアジャスト出来ないと、ノリスのチャンピオンは難しくなる。


「Aston Martin」
アストンマーティンはスプリントでは完全に競争力に欠けていた。
そこから予選ではフェルナンド・アロンソがQ3に進出した。
しかし全体的なレースペースの改善は見られず、平均的なペースはザウバーに次ぐ悪さでポイント獲得を逃した。
シーズン序盤から徐々にポジションが悪くなってきているアストンマーティン、今週はフロントウィングやフロアなど全6項目の大型アップデートになったにも関わらずこの結果には失望しかない。
しかしフリー走行が1回しかなかった点を考慮するとアップデートが必ずしも悪いとは断定できない。


「Alpine」
アルピーヌは今週ピエール・ガスリーにのみアップデートを装着しガスリーは予選ではQ3に進出し、決勝は6番手からスタートした。
ガスリーは第1スティントではポジションを守り切り、良いペースだったがピットで大きくタイムロスを喫しポジションを落とした。
その後は遅いペースの車に捕まり、思うようにポジションを上げられず、ペナルティもあり12位でレースを終えた。
エステバン・オコンはアップデートが無いにも関わらず12番手からレースをスタートするも、オープニングラップのTern1でアレクサンダー・アルボンと接触しスピンをすると最後尾までポジションを落とし、事実上のレース終了となった。
今週のアップデートで速さを得たと見られるアルピーヌは残る5戦も力強い走りが予想される。


「Williams」
ウィリアムズは今週アップデートが無い中で厳しい戦いを強いられた。
予選のペースはまあまあの中でレースペースはアルピーヌのピエール・ガスリーと同等程度のものであった。
しかしその中でもフランコ・コラピントはスプリント予選では10番手を獲得、しかしレースペースが良くなくポイントは逃した。
続く予選ではQ1敗退となりレースでのポイント獲得は厳しいかと思われたがチームメイトを勝る、堅実な走りで10位ポイントを獲得に至った。
一方のアレクサンダー・アルボンはオープニングラップのTern1でエステバン・オコンと接触すると、ダメージやポジション的な問題でがペースがチームメイトと比べると極端に悪い結果となった。
今週末はアップデートなしにしては善戦していたが、車が不安定なのは予選での結果に現れており今後は広いコンディションへの適応力が車に対して必要とされる。


「RB」
RBは今回のアメリカGPからダニエル・リカルドに代わりリアム・ローソンを起用し、ローソンは見事その起用に応え、最後尾からポイントを獲得した。
ローソンは予選Q1では3番手タイムを叩き出し、このタイムはQ3進出に相当する程のタイムであった。
またQ2では最後尾スタートが決定していたローソンがチームメイト角田裕毅に対してトゥを与える場面もあった。
しかし角田はチームメイトの助けに応えられずQ2敗退となり、レースでは中盤に単独スピンをTern1でし、その結果ポイント争いから脱落してしまった。
一方のローソンは最後尾から徐々にポジションを堅実に上げ、チームメイトの角田より速いペースでポイントを獲得した。
今回のグランプリではローソン圧勝に終わった訳だが角田はスプリントでセルジオ・ペレス、オスカー・ピアストリ相手に良いディフェンスを見せるなど成長する姿を見せた。
しかし来季のレッドブルのシート獲得に向けてはローソンは非常に良いアピールをしており、レース内容も重要だがポイントを得たという点来季のシート争いに向けては大きい結果だろう。


「Sauber」
ザウバーは今週、サスペンション関連やフロントウィングなどのアップデートを投入したにも関わらず特にペースなどには変化がなかった。
またフリー走行やスプリント、レースでは順位を上げることよりもデータ測定に割り切った様な走りをしており、それはそれで現状の車を考慮すると来季以降に向けて開発をスイッチしていることは良いことかもしれない。


「Haas」
ハースは母国で非常に良い車を持ち込みコンストラクターズにおいてもRBを抜き、6位へとポジションを上げた。
スプリント予選ではニコ・ヒュルケンベルグが6番手、ケビン・マグヌッセンが8番手を獲得しスプリントでは両者ポイントを得た。
予選ではマグヌッセンが今季初Q3に進出し、レースでは2台揃って似たペースで車のポテンシャルを最大限引き出した走りでヒュルケンベルグは8位入賞を果たした。
マグヌッセンは全体のペースは良かったが2ストップ作戦にしてしまった影響でポイントを逃した。
全体的には今週の全7項目のアップデートの効果も見れた走りで残る5戦も非常に期待が持てる。

