F1 2023 カタールGP

カタールGPは金曜日終了時点でレース中のタイヤの劣化の危険性をピレリが示唆するなど昔のアメリカGPを彷彿させる展開からスタートした。

土曜日のスプリントではタイヤの状態を確認する意味でも期待されていたがレースは3回のセーフティーカー導入と大荒れとなった。その起因はコースに散らばっていた埃、砂漠の砂の影響でレコードラインを外すと一瞬でグリップを失いスピンする車が多発した。この問題も金曜日から見られており車が通ると埃が巻き上げられるのが見て撮れるほどだった。

そして決勝では新品は18周の制限付き、中古は以前走行分を含めた18周で計算ということになった。

レースはスタートすぐの1コーナーでメルセデスのハミルトンがチームメイトジョージラッセルに無理に被せにいきクラッシュしリタイヤ、そしてセーフティカー導入となった。その後はアロンソがコースアウトすることはあったが安定したレース展開となった。その中で各ドライバー暑さを訴えサージェントは脱水症状でリタイアした。またオコンもレース中に嘔吐するなど、ストロール、アルボンなどもレース終了後にメディカルセンターで確認されることになった。

レース結果を見ればスプリントでドライバーチャンピオンを決めた勢いそのままに優勝、2位ピアストリはスプリントレース1位の勢いのまま6位から見事に順位を上げノリスも続き2戦連続マクラーレン2-3位獲得となった。

今週はとても多くの課題や問題が露呈したGPとなり今後の開催も含めドライバーの安全第一に考え直してもらいたい。








『レッドブル』

レッドブルは今週フェルスタッペンがスプリントレース2位でペレスがリタイヤとなったため3年連続のドライバーチャンピオンを確定させた。

決勝ではペレスがスプリントレースで車を大きく壊したためピットレーススタートとなった。レース中はフェルスタッペンが余裕の優勝、一方ペレスはトラックリミット違反で多くのタイムペナルティを受け10位止まりとなった。

ここ数戦の最高順位が8位のペレスには来年に向けて契約こそあるもののシートが危うくなり始めてる。






『フェラーリ』

フェラーリは決勝ではサインツが燃料漏れで出走できず一台のみの戦いとなった。ルクレールは危ながない走りで1周目のクラッシュにも巻き込まれずに最低限の5位とスタート時のポジションのまま戻ってこれた。フェラーリは鈴鹿まで調子が良かったので次戦アメリカまでに以前の力を戻して欲しい。






『メルセデス』

メルセデスは1周目の1コーナーでチームメイト同士が接触しハミルトンがリタイヤとなった。

その後ラッセルは遅れを戻すべく奮闘し最終的には4位フィニッシュとなった。それだけにレースペースがあっただけにあの接触がなければ2台ともポイント、表彰台を狙うチャンスがあっただけにもったいない。






『アルピーヌ』

アルピーヌはスプリントレースではオコンが3ワイドからクラッシュしリタイヤするなど忙しい週末となった。

決勝ではオコンが途中で嘔吐しながらも奮闘し7位フィニッシュに漕ぎ着けた。

一方ガスリーはトラックリミット違反を取られるなど満足のいく内容にはならなかった。






『マクラーレン』

マクラーレンはスプリントレースではピアストリが初優勝と幸先のいいスタートなった。決勝ではピアストリがメルセデス勢の接触の隙に2位に上がりノリスも持ち前の速さで10番手から3位まで戻ってきた。

マクラーレンはアストンマーチンに11ポイント差まで迫りこの勢いで4位獲得目指したい。

また予選はピアストリが好調で決勝での安定性はノリスが優っているが経験を積むことによってピアストリは大化けする可能性を秘めている。






『アルファロメオ』

アルファロメオはボッタスが久々のQ3進出と好調の滑り出しだった。

そして決勝では二台揃ってポイント獲得、周は19番グリッドから見事に巻き返し今後が楽しみだ。






『アストンマーチン』

アストンマーチンはここ最近レースペースがなかったが今週はアロンソが好調だった。しかしストロールは負の連鎖に陥りQ1落ちとパッとしない週末だった。

また決勝ではアロンソもコースアウトのアロンソらしからぬミスをしシートが熱いと訴えたり風邪をコックピットに入れたり、ストロールはレース後救急車に助けを求めるなどとレースの辛さが見受けられた。






『ハース』

ハースはしばらくアップデートのないでポイント獲得を逃していたがヒュルケンベルグがスプリントシュートアウト7番手獲得とポイントが見えていたが、オコン、ペレスと接触しリタイヤとなった。

決勝ではフォーメーションラップ後のグリッドに入るところで出走していないサインツのボックスに入ってしまいヒュルケンベルグが10秒ペナルティと出鼻をくじかれポイント獲得には至らなかった。

次戦アメリカGPでは今季最大のアップデートを予定しているハースどこまで改善されるか期待だ。






『アルファタウリ』

アルファタウリはローソンがここ数戦の勢いが見えないスプリントではリタイヤ、決勝では後方に沈んだ。角田は決勝11番手スタートもミディアムでのペースが上がらずにポイント獲得を逃した。






『ウィリアムズ』

ウィリアムズは無風では最強だったが風の強かった決勝以外のセッションでは後ろがフラフラしていた。サージェントはスプリントでは単独スピンリタイヤ、決勝では極度の脱水症状でリタイヤとなった。

一方アルボンはスプリントで17番手から7位フィニッシュと決勝ではトラックリミット違反でペナルティを喰らいポイント獲得を逃したが次戦アメリカに向けてまずまずの結果だった。






『次戦アメリカGPに向けて』

去年は1周目の1コーナーでサインツとラッセルが接触するなどがあったが1コーナーはドライバーからコーナーが上りになっていて先が見えにくいコーナーなのでスタート直後に混乱が起きやすいだろう。またホームストレート、バックストレート共にDRSがあり長いストレートなのでDRS効率の良い車などはオーバーテイクしやすいコースになっている。

アップデートでハースがBスペックの車を入れてくると思われるのでその結果にも注目したい。