結構前の話。
年末のCOWNTDOWN JAPAN11/12での初めてのthe HIATUS。
生細美を観れることをかなり楽しみにしていた。
OVERGROUND ACOSTIC UNDERGROUNDのTOSHI-LOWを思わせる、向かって右の位置から斜めに中央を向きアコギをかまえる細美氏。
エルレのライブ映像しか観たことの無かったから、その姿は少し新鮮だった。
新しいアルバムを予習していなかった僕には知らない曲の方が多かったけれど、圧倒的な演奏力と細美氏の歌声と存在感に圧倒された。
そんなライブ中にふつふつと湧き上がる感情。
曲と客のノリのようなものに妙な違和感を感じた。
曲に合わせて手を振り上げたり、掛け声を出したりするそれは、別にライブでは特に珍しい光景では無いけれど、明らかにHIATUSの曲調にはアンマッチだった。
フェスであるからワンマンの時よりも余計にばらつく客層。
そういえばあるSNSで、以前の京都大作戦でもHIATUSの落ち着いた曲の時にサークルモッシュで騒いでいたとかで物議を醸していた。
それに比べればまだ譲歩の余地もある。
京都大作戦は少し特殊だ。
まぁ別に気にしなければいいことだろうが。
そしてMCの時、うろ覚えではあるが細美氏はまずこんなことを話した。
「お前らステージに向かって指差すけど、それはなんなの」
いきなりの言葉に「?」が浮かぶ客。
この違和感を感じていたのは自分だけでは無かったと思った。
はっきり言って客を軽侮したような言葉だったけれど、それに対して「毒吐いていい?」と更に続ける細美氏。
それを感じていないような客の態度に、「もっと毒吐いた方が良いのかな」と呆れながら語りかけるが、その言葉に湧き上がる客の歓声。
伝わっていないと思った細美さんは少し不満そうだったけれど、僕はしっかり感じ取ることが出来た。
気がした。
客がアーティストを選ぶことは出来るけれど、アーティストが客を選ぶのはなかなか難しい。
そして話のまとめで客を諭すように「右に倣えはしないでほしい」と言った。
細美さんが音楽家として、人間としても魅力的な理由を生で見て感じることが出来た。
MC後の曲ではさっきまで手を挙げていた客の多くが手を降ろし、棒立ちになって聴いていた。
相変わらず手を挙げている客もいた。
どっちが良いとか悪いとかではなくて、要は音楽の聞き方、ライブの楽しみ方は人それぞれ。
だから周りに合わせたり、遠慮することはないということで、それは生き方でも同じだということだ。
だから自分が手を振り上げて楽しむのが良いと思うならそうすれば良いし、静かに聴くのが良いと思うならそうすればいい。
一番悪いのは右に倣えで自分を表現してしまうこと。
「俺らは今までコマーシャルなことが大嫌いだったけれど、これからは少しでもコマーシャルだと思ったことはやりません」
要は少しでもやりたいと思ったことはやらない。
本当に心の底からやりたいと思ったことしかやらないということらしい。
そんな厳しめのMCの最後に「こんなこというとまたクイックレポートに書かれるだろうけど」と漏らしていた。
良くも悪くも書かれていなかったですね。
「ロックはギターのひずみでも曲のスピードでもなくて心の持ち方だと思う」というようなことも言っていた。
その通りだと思う。
the HIATUS live
ELLEGARDEN「月」