はじめての怖さと付き合うなら | 伊藤陽佑オフィシャルブログ「辻斬り抜刀斎」Powered by Ameba

はじめての怖さと付き合うなら

 

「初めての経験って、お好きですか?

・・・失敗は、怖くないですか?」

"FRIENDS" Symphonic Concert 2018 を終えて---

全員が、初めて経験する船旅に似たコンサート。ミュージカル俳優でも歌手でもない俳優にとって、クラシカルな演奏に歌をのせることは普通あり得ません。こうた、田邊さん、すーちゃんがどんな勝負をしてどんな足跡を残すのか、その点がまず楽しみでした。

個性とは何か。魅力とは何か。全く色の違う3人が全く違う三色を、失敗を恐れずぶち込んでくれたこと、忘れません。


すーちゃん(森田涼花)ほぼ1年ぶりくらいに会ったにも関わらず細かい変更やデュエットなどリクエストしてしまい色んな負担をかけてしまいました。が、すべて受け止めて一生懸命悩んでくれました。彼女は立ってるだけで「なんかあの人、気になる」感があるんだなと、改めて感じました。表現する人間として、いい意味で危うい。自然と人を吸い込める力、今後も楽しみです。


田邊さん(田邊和也)は「夢」という自身の歌詞にもある通りフリーダム。ベースの辻さんが楽屋で自由な時間を過ごす田邊さんをみて面白かったらしく笑ってました。バラダン女性陣が母のような眼差しで見守っていたのもツボでした笑 伸びやかなヴォーカルはあのホールいっぱいに響き、お客さんの頭と心を揺さぶってくれたと思います。MC長くておいぃ!!となりましたが、実はその内容もっと聞いてたかったです。映画、ね。


こうた(三浦孝太)、すまん笑 めちゃくちゃ忙しいタイミングなのに、ほとんど東京にいないのに、いろーんな無茶振りしてすまん。結局こうしてまた三浦家に甘えさせていただいてるわけです。こうたは尋常じゃなく優しい同い年なのでやってくれちゃうのですが、申し訳なさしかない。けど楽しんでくれて良かった。涼介とのイベント、成功祈ってます。ファイト!


バラダンさんにはこの実験的な企画に参加頂き、心から感謝いたします。曲数も(バラダンさん参加曲はなんと8曲+LITO5曲=13曲)とにかく多く、実はバラダンさんにとってほぼ全て新曲(!!)の状況でしたが圧巻の演奏、恐れ入ります。プロレスで言うところの異種格闘技戦だったわけですが、僕がアリキックしかしてなかったのでしたら謝りたいです(意味不明)3人のゲストはそれぞれ、バラダンさんが居たからこその貴重な経験、体験になったと言っていたので何よりでした。


はじめましてのOA・futatsuboshi noteさん(古いのに新しい感じがして素敵でした)、朗読ミュージカルから3回目のタッグとなるハーモニーさん、スタッフの皆様、ホールスタッフの皆様、そして今回のオーケストラアレンジをしてくださった編曲の皆様にはタイトなスケジュールの中、ご協力いただき深く感謝しています。


YUTAKAくん、辻さん、オリジナル曲のオーケストラアレンジを担当した奥村健介、その3人を含めたLITOとしてはバラダンとの挑戦、というか、バラダンへの挑戦という気持ちもありました。1人のフロントマンとして、演出家として、まだまだという反省ばかりですが[見たことのないモノが作れる]とも思えました。はじめてデートしたのかよ、というくらい手探りばかりでしたが、ひとつひとつの楽器をもっと見たかったし見せたかった時間でした。唯一の管楽器オーボエの存在は僕と健介にとって面白すぎました。チェロはべらぼうにカッコよくて、リハからずーっと、見惚れてました。(笑顔もかっこよかった)カルテットのみでも大好きなので時間さえあれば、何かやりたかったし、シンプルに4人だけの演奏もゆっくり観たかったです。僕らのように生の弦楽器を聴き慣れていない人にとっては、新鮮なワクワクばかりでした。「恋はマジック」のピチカートもたまらなく嬉しくて、ピチカートは見たかったのに健介に伝え忘れていたのですが、入れてくれていました(驚)パーカスとピアノはいつだってヴォーカルの感情を読み取ろうとしてくれて、色々リクエストに応えて頂きました。しかも華麗に。たまにチャーミングに。そして当たり前の話ではあるのですが、こんなに全体の色を決めるセクションだったのか、と思い知らさせれました。

ふとした夕暮れ時に、この船旅の味をまた、思い出せたらいいなと想います。近くの島にちょっと寄ってみたのが今回なら、二度目の航海は未知の大陸には辿り着きたいです。初めての経験というのはいつだって甘酸っぱくてほろ苦いだけのもの、と思ってましたが、人を貪欲にしてくれるものでもあるんですね。

 

僕個人としては技術的に反省ばかりですし、相変わらず準備の段階からミスしてご迷惑をかけてしまった事も多々ありました。

その度に優しい皆様にカヴァーしていただきました。


かなり強引な船出でしたが、漕ぎ出した船には何にも代え難いものが詰まっていたと思います。

初めてのことに迷ってるのなら、まずは飛び込んでみるのも一手ですね。

ただし、優しいクルー(乗組員)の存在は必須です。そう、こんな感じの。

 

 

最後に、雨の中お越しいただいた皆様、ネット含め応援してくださった皆様、誠にありがとうございました。