「利益額」では、プロには絶対勝てない

・顧客からお金を集め、大規模に投資している投資運用会社。

・日々株式をトレードし、その利益で生計を立てている個人投資家。

このような人が「投資のプロ」にあたります。

 

 

まず断言できるのが、これらのプロに勝つことはほぼ不可能である、ということ。

投資でプロに勝つとは、麻雀でプロに勝ち続けるようなものです。

 

素人が麻雀でプロと勝負したら、どうなるでしょう。

一局だけなら、まぐれで勝てるかもしれません。

ラッキーが続き、二局連続で勝てるかもしれません。

しかしトータルでは、ほぼ確実に勝つことはできないでしょう。

 

なぜなら、麻雀は運の要素が絡みつつ、長い目で見ると知識や経験、その場の判断力がものをいうからです。

 

 

株式投資もこれに似ています。

株価が明日上がるか下がるか?とプロと予想で勝負したら、まぐれで勝つかもしれません。

しかし、「同じ100万円を使って、1年後にどちらが儲けられるか勝負しろ」という条件なら、高確率でプロには勝てないでしょう。

 

 

それに加えて、プロにはケタ違いの資金力があります。

個人が100万円運用し、5%の利益を上げられれば、5万円の儲けになります。

一方プロが1億円で同じ5%の利益を上げれば、儲けは500万円です。

 

つまり、頑張ってプロレベルの利回りを達成できても、「利益額」では絶対に勝つことはできないのです。

 

個人が株式でまともに戦っても、プロには知識も経験も資金力も勝てない。

まず、この事実を受け入れる必要があります。

 





「利回り」なら、素人でもプロに勝てる

では、個人が株式投資をすることは無謀なのでしょうか。

 

繰り返しになりますが、「利益額」でプロを上回ることはできません。

しかし、優待株投資であれば、プロ以上の「利回り」を出すことができるのです。

 

例えば、以下のような優待株で考えてみましょう。

 

【株価】

2,000円

【優待条件】

100株以上持つ場合、5,000円分の商品がもらえる

 

この場合、優待をもらうために必要な金額は、

 

・2,000円×100株=20万円

 

です。

投資金額20万円に対して5,000円分のリターンなので、優待利回りは、

 

・5,000円÷20万円=2.5%

 

となります。

 

もし、この株を1,000株持っていたらどうなるでしょうか。

 

この株の優待がもらえる条件は、100株「以上」持つことです。

したがって、1,000株持っていても、同じ5,000円の商品しかもらうことはできません。

 

1,000株投資すると、投資金額は

 

・2,000円×1,000株=200万円

 

となり、優待利回りは

 

・5,000円÷200万円=0.25%

 

と、先ほどより下がることになります。

優待株投資では、投資金額を増やすことで、利回りが下がってしまうのです。

 

 

通常、投資金額を増やすほど、リスクもリターンも大きくなります。

しかし、優待目的であれば、投資金額を増やすとリスクだけ増え、リターンは変わらない。

逆に言うと、最小限の金額で投資すれば、最もコストパフォーマンスが高くなるのです。

 

 

投資のプロは、20万円ぽっちを投資することはありません。

一度で1億円単位の投資を行うため、優待目的で投資しても、全く割に合わないのです。

 

この、「プロが見向きもしない」ところに目をつける。

これが大きなポイントとなります。

 

素人がプロに勝つには、相当な勉強量や運・センスが必要です。

私も投資に関してはプロの部類ですが、超上位層のプロとまともに勝負すれば、ほぼ確実に負けるでしょう。

 

 

プロと正面からやりあっても勝てない。

だからこそ、「プロと戦わない」というのが、素人にとって強力な戦略となるのです。

 

 

先ほどの例だとプロの優待利回りは0.25%、個人の優待利回りは2.5%。

金額は大したことがありませんが、利回りでは簡単にプロを上回ることができるのです。