本日から何回かにわたって、監査人としての心構えを書いていきたい。目次は前回のエントリーをご参照。
①将来ビジョンについて
・パートナー会計士を目指すべきか
弁護士事務所の場合、パートナー弁護士になるのが出世街道の王道であり、独立を強烈に志向する人を除いて誰しもが一直線に目指す道と聞く。でも監査法人は違う。(あまり言われないが)「パートナー会計士」になるのが王道かと言われると??である。
優秀で野心がある若手弁護士と会計士がいたとして、前者はパートナーを目指すが、後者は目指さないのである。私なりに思う理由としては、フロアのそのへんに居座っている「パートナー」連中が
大した技能も弁舌もなく
外見も威厳もしょぼくれていて
要は「終わった」感が充満しており
実はそれほど大した給料をもらっていないことが明らかにされつつあり
退職金もかなり目減りしている
やっている仕事レベルが低く、却って監査の邪魔になっている様子もあり
という状況であり、あまり魅力的でないのである。もっと魅力的でないのは、そのパートナーの座を狙うシニアマネージャー層のへいこら振り・下への強圧的指示命令系統であり、結構これにげんなりする若手多数。
いずれ目指すことをやめるのがパートナーである。
・復活する、パートナー会計士への想い
上記では、多くの優秀な若手はパートナーに憧れない様子を描写してきたが、実はパートナーへの憧れ(というか現実的目標)に回帰する瞬間があるのだ。それは、だいたいマネージャー昇格前後で、有力なパートナーに目をかけてもらっている時期だ。
実は、彼らは若手の頃はパートナーになんかなりたくなく、外の世界に羽ばたいて活躍したいと思って頑張ってきた。でも、それが色々な理由で叶わなかったのだ。転職市場が悪いだの、上場インチャージが引継ぎできないだの、家族が止めるだの、等々。それを上回る最大の理由は、外で通用するスキルやマインドを形成できないまま、いい年になってしまったということだ。
それでも法人内で認められれば、マネージャーに昇格して大規模クライアントに関与させてもらえる。そうか、おれ(私)は監査が向いているんだ、パートナーも評価してくれる、現在の給料(マネなら10百万前後)を上回る転職先を開拓するのは大変だ、と自分を納得させる。ではでは、パートナーを目指しますか、と原点回帰されるのがよくあるストーリーである。
パートナーを目指す目指さないはまったくもって個人の自由である。私は最初から目指さなかっただけ。その選択に貴賎は無い。ただ、監査法人の内情なんて上記のようなものであることは知っておいてもらいたい。
参考までに、私がパートナーについて書いたエントリをリンクしておく。