ブックオフでの中古本買い取りについて、実際に体験した妻から消費税の取り扱いを質問されたのだが、不覚ながら即答できなかった。渋々調査を開始したところ、思いがけない方向に議論が進んでいってしまったので、今回はこれをまとめておきたい。


結論から書くと、ブックオフは商売から稼ぐ粗利に加えて、税制の裏をついた稼ぎを得ているのではないか、という疑惑が浮上したのである。ブックオフに限らず、一般人から中古品を買い取る業態(リサイクルショップや中古ゲームショップ等)も同様である。


これを数字を使って解説してみようと思う。なお、ブックオフの公表資料(P3) によると粗利率は56%とある。数値を単純にするために、粗利60%と仮定する。

① 個人→(買い取り)→ブックオフ 本体価格200円で買い取り
【消費税】0円
・・・200円の本体価格5%=10円を支払う必要がありそうだが、当該取引は「課税取引」ではなく、消費税法の対象外である。なぜなら、販売側が単なる個人であり、「取引を業として行う」という要件が欠けるからである。

② ブックオフ→(販売)→個人(2nd) 本体価格500円で販売する(300円の利益を得る)
【消費税】25円
・・・500円の本体価格5%を個人から受け取る、つまり個人は消費税を負担している。当該取引は「課税取引」で、消費税法の対象となるため。なぜなら、販売側が会社であり、「取引を業として行う」という要件を満たすからである。


ここまでは大丈夫であろう。個人(個人事業主含まない)から買い取る取引(①)に消費税はかからない、個人に売る取引(②)には消費税がかかるということだ。だが、面白い点はここではない。そのへんは明日書かせてもらいたい。