とある雑誌で紹介されていた以下のレポートを読んだので、これをまとめておきたい。かなり骨太の内容で、英語の読み物としても非常に良い。



<レポートの概要>
イギリスの財務報告を討議する団体FRCの公表物あり、企業の財務報告について問題点や改善点をまとめている。かなり骨太のペーパーで内容が相当詰まっている。日本の公表物の厚みとは段違いである(例:アナリスト協会 http://www.saa.or.jp/account/account /pdf/ikensho101029.pdf)。

上記①と②の関係は、①は全論点をまず提起し、②はそのうち「無駄な情報を削減しろ」という論点を深堀りしている。本稿では、①②分けて考えることなく、一括してコメントしたい。


 
<レポート公表の経緯>
2009年に①がまとめられた経緯は、サブプライム問題後の金融危機において、情報開示が適切ではなかったのではないか、という問題意識が契機であった。このあたりの自浄作用はさすがに会計先進国である。主眼は、このレポートや調査が媒介(catalyst)となって、投資家にとってより付加価値の高い年次報告書が作成されることとされている。

日本で同様の議論が行われるとしたら、大抵は開示簡素化ありきで、その理由としてコストを軽減したいとするものばかりである。質の向上を図るという議論は、日本にはあまり無いように思えるので大変勉強になる。


明日以降、内容をかいつまんでまとめていきたい。日本の会計に関与している人には参考になると思う。