今回は各監査法人の業界ごとのクライアント分布について。
会計士に質問すれば、大抵の大企業であれば、「ああ、あの会社は○○監査法人だよね」という答えが期待できるだろう。それはさておき、自分の興味もあったので改めて整理してみた。整理してみると、面白い傾向が見て取れる。
どうであろうか?特に感想は無いかもしれないが、私なりに強引に分析を試みたい。
【分析と洞察】
①産業別の特色・・・各業界ごとに上記でコメント
トーマツは製造業(耐久消費財メーカー、重厚長大系)に圧倒的に弱く、傘下や系列の会社もクライアントにできない結果、比較的小規模なメーカーが多くなっている。逆に、トーマツは商社・銀行・サービス業で相当の強みを持っている。
新日本やあずさはトーマツとは逆に、大手メーカーをシェアしている。
洞察:勢いのある業界といえば商社であるが、大手3社/5社をトーマツが押さえており有望である。あらたは各業界でグローバル展開が利いた優良企業が多く、安泰感を感じる。新日本とあずさは製造業が相対的に多いので、今後の日本の製造業の浮沈にかなり依存しているといえる。
②財閥系
住友はあずさでほぼ固めており、鉄の結束が見受けられる
三菱は新日本(重工、化学、自動車、地所)とトーマツ(銀行、商社、郵船)でシェア
三井はばらばら
洞察:住友以外、財閥系の一体感は無い。財閥系の分裂は進んでいくと思われるが、あずさがどこまで住友系を死守するのか注目。
③問題企業について
新日本に多い傾向があるが、最近はトーマツにも多い。あずさは比較的少ないように見受けられる。
洞察:問題企業の露出は監査力の低下に遅れて5-10年とかで露見していく気がしている。つまり問題企業数は、監査法人の能力の遅行指数である。
どの監査法人の力が落ちているのか定かではないが、全体的に下がっているとしたら、数年後から問題企業が続出するかもしれない。この予想は外れて欲しいが。。
④中央青山(みすず)の解体の引継ぎ
周知の通り、メインどころをあらたが、京都系を京都監査法人がそれぞれ引き継いだ。
他は、メーカーが新日本・あずさへ、非製造業がトーマツへ、引き継がれた傾向にある。このことは、それぞれの法人の強みがその辺にある、ということであろう。
⑤マスコミについて
経済報道に強い日経新聞はトーマツである。それが原因か分からないが、トーマツの不祥事に対する新聞報道はマイルドである、という指摘が業界には残っている。
⑥今後の大型企業再編による影響について
住友金属→新日鉄との合併により、トーマツが主要クライアントを失う可能性大
中央三井信託→住信との経営統合により、トーマツが主要クライアントを失う可能性大(既に共同監査化)
みずほ3銀行→合併によるワンバンク化により、総額監査報酬約5億(非監査含むと6億)が大きく目減りすることは確実で、新日本にとっては痛い(統合作業でフィーを稼ぎたいところ) ※5年後くらい
とりとめもなくクライアント分析をしてみたが、別にこれといった結論は無く、恐縮である。現在は大手法人間での動きは少ないが、アメリカでは結構動きがあるようなので、後日このへんはウォッチ結果をまとめる予定である。
会計士に質問すれば、大抵の大企業であれば、「ああ、あの会社は○○監査法人だよね」という答えが期待できるだろう。それはさておき、自分の興味もあったので改めて整理してみた。整理してみると、面白い傾向が見て取れる。

どうであろうか?特に感想は無いかもしれないが、私なりに強引に分析を試みたい。
【分析と洞察】
①産業別の特色・・・各業界ごとに上記でコメント
トーマツは製造業(耐久消費財メーカー、重厚長大系)に圧倒的に弱く、傘下や系列の会社もクライアントにできない結果、比較的小規模なメーカーが多くなっている。逆に、トーマツは商社・銀行・サービス業で相当の強みを持っている。
新日本やあずさはトーマツとは逆に、大手メーカーをシェアしている。
洞察:勢いのある業界といえば商社であるが、大手3社/5社をトーマツが押さえており有望である。あらたは各業界でグローバル展開が利いた優良企業が多く、安泰感を感じる。新日本とあずさは製造業が相対的に多いので、今後の日本の製造業の浮沈にかなり依存しているといえる。
②財閥系
住友はあずさでほぼ固めており、鉄の結束が見受けられる
三菱は新日本(重工、化学、自動車、地所)とトーマツ(銀行、商社、郵船)でシェア
三井はばらばら
洞察:住友以外、財閥系の一体感は無い。財閥系の分裂は進んでいくと思われるが、あずさがどこまで住友系を死守するのか注目。
③問題企業について
新日本に多い傾向があるが、最近はトーマツにも多い。あずさは比較的少ないように見受けられる。
洞察:問題企業の露出は監査力の低下に遅れて5-10年とかで露見していく気がしている。つまり問題企業数は、監査法人の能力の遅行指数である。
どの監査法人の力が落ちているのか定かではないが、全体的に下がっているとしたら、数年後から問題企業が続出するかもしれない。この予想は外れて欲しいが。。
④中央青山(みすず)の解体の引継ぎ
周知の通り、メインどころをあらたが、京都系を京都監査法人がそれぞれ引き継いだ。
他は、メーカーが新日本・あずさへ、非製造業がトーマツへ、引き継がれた傾向にある。このことは、それぞれの法人の強みがその辺にある、ということであろう。
⑤マスコミについて
経済報道に強い日経新聞はトーマツである。それが原因か分からないが、トーマツの不祥事に対する新聞報道はマイルドである、という指摘が業界には残っている。
⑥今後の大型企業再編による影響について
住友金属→新日鉄との合併により、トーマツが主要クライアントを失う可能性大
中央三井信託→住信との経営統合により、トーマツが主要クライアントを失う可能性大(既に共同監査化)
みずほ3銀行→合併によるワンバンク化により、総額監査報酬約5億(非監査含むと6億)が大きく目減りすることは確実で、新日本にとっては痛い(統合作業でフィーを稼ぎたいところ) ※5年後くらい
とりとめもなくクライアント分析をしてみたが、別にこれといった結論は無く、恐縮である。現在は大手法人間での動きは少ないが、アメリカでは結構動きがあるようなので、後日このへんはウォッチ結果をまとめる予定である。