本日は、昨日の続きで危機感について。
危機感とは、要はこのままいって将来大丈夫なのかということである。現状認識が甘ければ将来を過度に楽観視してしまい、将来取り返しのつかないことになりかねない。
この現状認識というとあまりに広範囲なので、①世界における日本という国、②日本における監査法人という業界、の2つのポジショニングから考えてみたい。
① 世界における日本
日本は経済面のみならず知的面から言っても低成長を遂げている(と報道されている)。世界に目を向けると圧倒的な成長を遂げつつある国家が勃興しており、相対的に日本の優位性やプレゼンスは低落の一途である。世界の経済が一つになる状況下においては、日本のシェアが小さくなることは交易条件の悪化に直結する。いわゆるジリ貧である。
別に低成長が一概に悪いということではないし、ほどほどに安定した生活を送るには困らないだろう。フリーターでも飯は食える。
でもそれって刹那的では?いつまで維持できる?子どもや孫の世代はどうなる?
そこまではしらないよ、国が悪いよ、とでもいうのだろうか。いや、次代には現代の我々が果たすべき役割がある。それはどこかで、個々が、国家が事態を打開すべく行動を始めるべきであろう。
② 日本における会社
高所高段から話してもしょうがないので、今度は我が業界を考えて見たい。この場合、監査法人という会計業界である。
監査法人は規制産業である。世の中に不祥事が多発したり、海外で新たな規制が導入されれば、金融庁が国内に規制を導入する。その結果、監査法人は業務を確保するという流れである。監査法人は法定監査業務だけをしているわけではないが、大部分はこれである。
現在監査法人の置かれている状況はあまりにも厳しい。規制過重の流れから一転して規制緩和になりつつあり、監査業務の職域と報酬は頭打ちであり、(IFRSという規制にかかるものを除けば)新規ビジネスを立ち上げる機運は盛り上がっていない。それはそうだろう、監査を主体としてきた会計士にビジネスマインドやスキルなど皆無であり、立ち上げるようなビジネスなど無いからだ。
監査法人内では「低成長」という認識をしているようだが、「衰退」という認識ではない。現実から目を背けている。パートナーや職員の報酬カット・リストラ、地道な経費カットをしているものの、収益力の改善の兆しは見えない。監査法人内にいる自分でさえ、自社の決算数値は入手できなく、あるのは外部HPに添付されている前期財務諸表のみであり、情報が限定されているが。
監査法人の外部環境を例えるならば、今までは川の上流から慣性で流れるボートのように勝手に規制に乗って流れ(流され)てきたが、現在は大海原まで投げ出され沈みだした船頭なき巨艦とでも言えようか。
このように、自分を取り巻く環境は悪化を続けている。では悲嘆にくれていればいいのか?そうは思わない。
逆にみればチャンスが広がっているのだ。ネガティブにみても何も始まらない。いかに前を向くか、であろう。
では何をすべきは、後日書いていきたい。
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