
「お人形さんを入れるオウチを作って欲しい」... そんな孫のリクエストに応えるために
齢75歳にして現役大工だったオヤジが、ホンの手慰みとはいえ.. 愛情たっぷり端正込めて作り上げた作品がこれです。
ドールハウスというよりは.. 兎小屋?いや.. シバ犬だって入れるほどのオウチですが..
子供が持ち運べるようにと軽い木材でつくられたそれは、子供がケガしないように丁寧にザンドペーパーがかけられてすべすべ。釘頭だってこれでもかというくらい叩かれて、木の中にめり込んでおります。
写真じゃ見えませんが、一階と二階には階段が設けられ、極めつけは.. この屋根。なんと着脱が可能。しかも、遊ぶ時に万が一があってはならぬ!と、釘は一本も使わず、はめ込みと糊だけでこしらえてあるんですな。
このオウチの住人は.. リカちゃんはもちろん、バービーにブラッツ、はたまたパワーパフガールに峰不二子と次々と変わっていったものの、オウチそのものとしては..
10年経った今もこうしてビクともせずに、威風堂々、建てられた当時のままにその姿を保っています。
「ワシらの時代に青春なんちゅう言葉はあらへんかったわ」... サッポロビールの大びんを片手に、そんな語り口で、昔話になぞらえて多くの事を教えてくれた偏屈な職人さんの「オヤジ」でしたが...
この「形にする」って事がどうゆう事なんかは、ガキの頃から繰り返し教わってきた事で.. まさに、オヤジらしいええ作品やったと思ってます。
って、訳でひと月に渡りお付き合い頂いたオヤジの話しもこれで大演壇。どちらさまもご清聴ありがとやした。あ。もうこんな時間。ではでは、おやすみなさい。