はいよ、お待ち。先週のお話の続きね。

んでだ。生死の境をさまよい奇跡の復活を遂げたオヤジ君だが... オヤジ君には徴兵が待っている!! せっかくご先祖さんが助けてくれはったそのうら若き命(当時16歳?)も、はかなく戦地で散らす事になろうや!!

ところがね。

この生死を彷徨う病気のために衰弱しきっていたオヤジ君。診断の結果、とても戦地で御役目を果たす事が出来ないと診断され.. 結果、内地にてお国のために働きなさいという事になり、大阪砲兵工廠で働く事になるんやね。

大阪砲兵工廠とは.. ひらたく言うと、軍需工場。今で言う大阪城ホールや大阪ビジネスパークのある辺り(?)、その当時、東洋随一の規模と最先端の技術力を誇り、列強国を相手に戦うための各種の兵器を生産しとった工場...  そんな巨大な工場の中で、爆弾を入れる木箱を作る仕事に従事する事になるんよね

つまり.. 生地やら針やらを触ってたオヤジの手が.. この時、カナヅチと釘をその手にする事になるよ。

来る日も来る日もとんかんとんかん、カナヅチをたたくオヤジ。日に日に激しさを増す戦況。空襲と疎開。荒れる大阪の街。食べ物も石鹸も配給。それでも戦地の地獄に比べりゃマシ。ラジオでは国民感情を鼓舞する内容の放送が流される中.. ますます激化していく空襲。

そして.. 昭和20年8月14日。

150機のB-29の集中爆撃で、砲兵工廠の80%が壊滅。そして、その翌日の15日。昭和天皇が、ラジオで日本の敗戦を告げる事になるんよね。

この先、この国はどうなってしまうんやろ。ほんで、自分はこれからどうやって生きて行くんやろう... と途方にくれるオヤジ。空襲で壊滅してしまった砲兵工廠後にたたずみ... 焼け野原と化した大阪の街と焼け出されて家を失い茫然とたたずむ人の群れを眺めながら...

んでもこんな事を考えるんよね。

ん?!.. ひょっとして..俺..大工になったら一生食いっぱぐれる事あらへんのんとちゃうん?」

こうして、大工になる事を決意したオヤジ。大阪の下町を代表する.. ってか、日本の下町を代表するといっても過言ではない「西成」というファンキーな街で大工の修行を積んだ後、一介の大工として生業を立てる事となる。

残念ながら..

オヤジの目論みは見事にはずれ.. ものの10年で見事なまでに大阪の街は復興し、大阪の家は全部自分が建てるという野望はついえる事になるんやけど.. それでも15年かけて、ジイサンの残した莫大な借金を全て返す事には成功する。

 

って..まあ。オヤジの物語はまだまだこれからも続くんやけど.. 今回はこれで中〆。次週はそんなオヤジの作ったドールハウスをご紹介して大演壇とさせてもらいまっさ。ではでは。来週も乞うご期待!