今週も.. 先週のお話の続きで.. フォーク酒場のお話しね。

 

んでだ。三時間ギター掻き鳴らし..喉も指もボロボロになったというタイミングで..客席のいるステージで歌おうと言い出した大先輩。さあここからが大変...

まず何の曲をやろうか?と喧々諤々。そりゃそうだ。みんな好きなジャンルも青春を過ごした年代もバラバラなんだもの.. でね。全員の最大公約数を探そうと..ああでもないこうでもないと1時間...

結局、歳年長.. 50歳の大先輩が歌いたい曲.. かぐや姫の「22歳の別れ」をやることになったものの..今度は、残りの3人が何の楽器を使ってどんな風に伴奏するのか?が決まらない。

そりゃそうだ。僕以外の残りの二人は.. コード進行はもちろん、どんな伴奏でどんな構成なんか知らないし、メロディですらすら裏覚えの状況で...

ってかね。この曲をやるのは.. どうも最初から決めていた様子なんだ。

んなら、最初からそうと言って練習してからやりゃあ良かったんが...  そこはそれ。ね。そんな事は細かい話で.. 構成とかどうとかなんてえのはどうでも良くって..要するにスポットライトに照らされたステージ上で、憧れのマーチン抱えて歌えりゃそれでいいのだ

んでね。

結局、僕はその大先輩から、リーダーギターセクションを担当して欲しいと強い要請があったものの..  次回必ず練習してくるので今回だけは勘弁して欲しい.. と懇願し、なんとかコーラスだけの参加でごまかして、下っ手くそなギター演奏を人前で披露するという罰ゲームは回避できたものの..

ここでこのまま帰っては.. 今日何をしに来たんだ?って話しでしょ?

ってかね。やっぱ、ステージに上がってお客さんが目の前にいるとね.. 気が済まないんよね。血がね..騒ぎだしてね。 こんな状況でもね。マイク握るとね.. 歌いたくなってね... 

そこで..今度は先輩さしおき.. もう一人に伴奏してもらって.. 僕にも歌わせてもらう事にしたんよね。

曲はね。同じかぐや姫つながりで.. 伊勢正三の.. 「なごり雪」..

ああもうね。

こりゃあ.. ホンマにええ曲でね。  歌っててね.. 泣きそうになるんよねホンマ。

青春そのものやもんね..僕らの世代からすりゃ。

んでね。もう気持ちこめまくりの僕の熱唱が始まると.. ざわざわと人の歌なんかろくすっぽ聞いてなかったフォーク酒場のお客さん..つまりそこらの親父達なんだが.. これが次第に聞き入って.. 水割りのグラスをちびりとすすり、深々と煙草の煙をはきだしたりなんかしだしてね...

歌い終わるや.. 余韻に浸る会場を前に.. フォーク酒場の店長が僕に向かって言ったセリフが..

ちょっとアンタ、やりすぎ!やりすぎだよ~!!(笑)

 

結局、この日、このお店を出たのが23:30。お店に入ったんが18:30やから.. 結局、5時間歌いっぱなし。そんな歌うのって...  ゴスペルのリハでさえ、そこまで長時間連続でやれへんわな

やっぱね。ギター片手にどこでも手軽に歌えるフォークソングってなあ.. ええもんやなあと.. ホンマ、心底、この時思いましたわな。

ってか.. 思いだしましたな

いつか個人的に.. そんな..ギター片手にフォークな夜を演っても..  ええかもしれんですな。