A君はまだ美容学校の通信生で国家試験が間近に迫っていました。
通信制の学校は働きながら毎週かはわかりませんが月曜日にスクーリングがあります。
彼の紹介で忘れていましたが
彼がうちの店にくる前は別のお店で2年間働いていました。
うちの面接では大概の事は出来ると詐称して入ったみたいです。

ところが蓋をあけてみたらシャンプーすらできない。

お店のレベルはそれぞれなのでスタイリストといっても全然仕事ができなかったりするパターンもあります。
彼は低レベルでみてもありえないレベルでした。

で、話しを元に戻します。

多分、彼は勉強はできるんだと思います。
機転がきかないタイプです。
あと、超ド級の不器用です。
そんな彼が今年国家試験を受けると言うことでシャンプーレッスンから国家試験のレッスンに切り替えました。

国家試験では、使用ウィッグ(練習用の人形の頭)が決まっています。
私が店に置いていたウィッグを貸して欲しいと言ってきたので貸しました。
そしてレッスンに付き合っていました。
そのあとは、許可もなく彼は私のウィッグを使用し

しばらく経ったある日

A「あれ?ウィッグ持って帰りました?」

私「知らんよ。私、最近触ってないもん」

A「ないんですけど」

私「私は、何も知らない。A君がいつも使ってるやん。ちゃんと探してよ!」

A「あれですかね?ごみ箱の所に置いてたからごみ箱におちたんですかね?で、捨てたとか?」

これ、笑いながら言われました。

皆さんは、どう思いますか?

謝る事すらしなかった彼に怒りを通り越して笑いがこみ上げてきました。

あなたならどーする?

私なら、最後に借りたのは私だし自分がわざとじゃないけどココは謝って弁償します。
ウィッグと言っても安いものではないので自分の保管方法に問題があったのかな?と思います。

このウィッグは学生時代の国家試験の受験為に一生懸命バイトをして買ったウィッグです。自分の美容師人生常に一緒にいたウィッグでした。

彼にはやはり人を思う気持ちが無かったようです。


話しは変わりますが私と先輩の間で密かに話してたんですが
Aは夫婦共に資格とるのが好きみたいで
二人ともネイル検定など持っているそうです。
なので美容師も資格だけ欲しくて
国家試験がとれればここを絶対辞めると話していました。

それが的中でした。

国家試験の結果は合格でした。
程なくしたらやはり辞めるといい出しました。
もう、誰もひき止める気持ちもありませんでした。

私に

A「僕、不器用なのでやっぱりこの仕事に向いてないと思うんです。だから辞めようかと思ってます。」

私「え?今頃?そう思ったん?」

A「いえ、前から不器用なのはもちろん知ってます。でも皆さんにご迷惑かけてるし。。。

私「国家試験とれたから?ここは試験取る為に働いただけやろ?」

A「違います!本当に違います!」

私「で、なんの仕事するん?美容師?」

A「いいえ、接客業以外の何かに」

私が過去に人の気持ちを考えたり読み取れないなら接客業はやめたほうがいいよといったかららしい。

で、その日にオーナーに10月末で辞めたいと話したらしいのですが

オーナーからは、辞めてもいいけど急に辞められたら困るし次の求人もかけなあかんし。

で、本人は今年末までは働きます。と言ってきたそうです。


モンスター社員⑥へつづく


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