あなたの作るサイトの価値を高める方法 | WEBクリエイターの木

あなたの作るサイトの価値を高める方法

二人の囚人が鉄格子から外を見た
一人は泥を見た
一人は星を見た

という詩がありましたが、日本人はとかく泥を見てしまいがちです。
「泥臭い仕事をしてきました」ということを美徳として、わざわざ自分でしなくても良い苦労までしてしまってはいないでしょうか。

WEBクリエイターでいえば、「WEBサイトを作る」というとても価値ある行いをしておきながら、その価値を十分説明していないために、クライアントに単なるチラシの電子版としかとらえられていないことがあります。

まだ企業がWEBにそれほど投資をしていなかった時、WEB上ではHTMLのタグのみで書かれた個人のホームページが大多数でした。
「ネットにつないでいる多くの人が見ることができます」
当時それだけであったWEBサイトの説明を変え、一躍有名企業になった会社がありました。

「WEBサイトは企業の顔であると同時に、何万人分もの営業マンの働きができる」
「数秒のTV-CMとは違い、商品の情報をあますところなく求めてきた顧客に与えることができる」

WEBサイトを強力な問い合わせや販売のチャネルとして、またブランディングの最大の武器として、企業全体で戦略的に取り組むべき課題だと説明しました。当時のWEB担当者はパソコンを触ったことがある若手が「お前ホームページやってみろ」と任される程度でしたので、決裁権もさしてありませんでしたが、彼らは若手WEB担当者ではなく、会社の経営層に訴えたのです。

お金の出どころは会社の中心である経営層です。だから若手WEB担当者が「うん」といえる金額と見積もりの桁が違いました。そのようにして同じ「WEBサイトを作る」ということの価値を高め、WEB部門から経営部門まで巻き込むことで、サイトを何十個も作る分の利益を得たのです。

できあがるものは同じWEBサイトです。しかし訴求の知恵を使うことで、結果がまったく違ったものになりました。


またある会社が会社説明会の時にこういう説明をしていました。
その会社は最近海外のニューヨーク、ミラノに2拠点を設けて進出したばかりでした。これを

「私たちはアメリカとイタリアに進出しました」

と説明するだけではありませんでした。同時にこういう図を見せたのです。


マップ

白地図で日本とイタリアとアメリカを赤く塗りつぶし、

「私たちは世界全体を視野に入れており、今ここまで塗った。そしてこれからどんどん拡大していきます。」

ということを示したのです。

このようにできあがったそのままの状態をただ言葉にして話すだけでなく、将来も見据えて広げて語りました。



たとえばサイトの企画書の中で、
フェーズ1
これを作ります、というだけより
フェーズ
今作るサイトをフェーズ1とするとフェーズ2、フェーズ3でこのように発展していく予定です、というのも方法のひとつです。こう説明すると、同じ状態であっても、今の状態の価値が高まって伝わる気がしませんか?物理学でいえば、潜在的な位置エネルギー(ポテンシャル)も含めて説明したということです。相手に伝われば、これから作ろうとしているサイトの価値が高まります。

就職面接などでも、できる人は今までの自分と会社に入って発展していくこれからの自分を面接官に伝わるように表現します。

そのほか、数百万の提案書と数億の提案書を書きましたが、たくさんお金を求めるときは、その仕組みでこれだけ多くの人が恩恵を受けますよ、とこれからやることを大きく広げ、価値を高めて話しているという違いがあります。

同じ訴求をするにしても、知恵を使うとその結果がまったく違ってくる

これらの知恵はなにも相手を騙しているというわけではなく、本来自分たちのやっていることの潜在的な価値を引き出せば、そのような価値があるのです。その価値を自分が知らずに説明できない場合もあるし、価値をわかっていても表現できていない場合があります。どちらにしても、相手がわからないために苦労するのは損だということです。

同じ苦労をするのにも無駄骨は折りたくないじゃないですか。訴求するときに知恵を使うことで、結果は大きく変わってくるのです。

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