雑学日記 その497(素朴な疑問編22)
みなさま、お疲れ様です。
3月ももう、終わりの時期となり、じょじょに暖かくなってきた今日このごろですが、いかがお過ごしでしょうか。
さて、今日も前回の続編です。
『ガスの火は青いのにローソクの火は赤いのはなぜ?』
一般的に、ローソクからは、すぐに赤々とした火が連想されるでしょう。
ところが、ガスバーナーやガスレンジの火は、ローソクの火よりはるかに火力が強いというのに、ちっとも熱くなさそうな青い色をしています。赤は熱く青は冷たいというイメージとは、真逆ですよね。はたして、火における赤と青とは、いかなる関係があるのでしょうか。
結論を先にいってしまうと、じつは我々が慣れ親しんできた炎の赤とは、煤(すす)が輝く色なのです。ローソクの成分には、炭素が多く含まれています。炭素には不完全燃焼しやすい性質があり、火に燃えると煤(すす)の粒子を生じます。
この煤(炭素粒)は、熱せられることによって赤く輝きます。ローソクの炎が赤く見えるのは、そのせいなのです。
一方、ガスの炎は、炭素が混じらないことで空気が十分に混入するため、完全燃焼します。小学校の理科の実験で、ガスバーナーを扱った時のことを思い出していただきたいです。
ガスバーナーの筒には空気の量を調節するダイヤルがついていて、このダイヤルを回して空気の量を絞ると、青かった炎が赤に変わります。これも、酸素の量が不十分になり、気体が不完全燃焼をして煤を生じるためです。
簡単にいうなら、赤は不完全燃焼の色であり、青は完全燃焼の色ということになります。それでは、キャンプファイヤーの炎なども、やはり‶不完全燃焼″の色をしているということなのでしょうか。
キャンプファイヤーの炎は、ローソクの火とは、くらべものにならないほど勢いが強いです。しかし、その燃料は木です。木にも、やはり多くの炭素が含まれています。つまり、あの赤々とした炎も、木に含まれた炭素粒が明るく輝く色にほかならないのです。ひたすら酸素が燃えているならば、キャンプファイヤーの炎もまた青くなるはずです。
火の色が赤であるというのは、おそらく原始のころから長年にわたって人間のあいだに広まってきました。青い炎が出現したからといって、もちろん、火は赤いというイメージが否定されるわけではありません。‶火は赤い″それはそれで、いいと思います。
さて、いかがでしたでしょうか。
それでは、次回までごきげんよ~!