トリム製作においての注意点( ・ω・)∩ | T&Tファクトリー

トリム製作においての注意点( ・ω・)∩

先回の続き

 

フロントシリンダートリムを自車のマフラー&エアクリ、そして走行癖に正直に作っておかないと

後でどういった弊害があるか。

 

それはね

 

3Dテーブルを理解して貰った後に移行する「中級編」でメインとなる

2Dテーブルを触るにおいてどーしても必要だからです( ・ω・)∩

まずその 「2Dテーブル」ってのですが

エンジンを掛けるために必要な空気量やエンリッチ、加速時のアクセラレーターポンプのような

燃料追加やその他もろもろのテーブルがあるのだが

そこで始動後のエンリッチでいかに安定したアイドリングをさせるかで

TCFIでは必ずその時のBLM値とFトリム値の数値を計算式に入れて噴射量を決めるからです。

 

エンジン始動後の暖気運転で不安定な車両ありますが

殆どが空気量もFトリムの製作も行っていないのです。

 

まずアイドリング回転数を1000rpmにしようが、600rpmに下げようが

自車のシリンダーの前後噴射バランスの為のFトリムテーブル製作を行わなかったら

その先の2Dテーブルはうまくいくのかなぁ・・・どう思う?

 

基礎の初級編での3Dテーブルでまず実走行のBLM結果からアルファN値の手動変更、

そしてAFR設定、そして点火時期設定を自身で行えるように願うのは点火時期変更やAFR変更後に

エンジンが掛からなくなってもすぐに対処できるようになるには前後のシリンダーバランスさえ整ってれば

不具合を見つけるまでの時間が格段に短く済む。

 

変更後はBLMが赤く補整限界になってたりするのでピンポイントで

すぐに直せるようになって貰いたいのです( ・ω・)∩

 

では、先日の例題のオイラが124キュービックエンジンで走った後のBLM結果から

作る「フロントシリンダートリム」を解析していきましょうヽ(´ー`)ノ

 

まず一番最初に走った「慣らし運転」でのBLMは↓

↑これは2000rpmより上げないようにそ~っと走った後のBLM。

まず最初にこの両BLMをApply(アプライ)して燃料調整しました。

 

そしてApply後に走った後のBLM値がコチラで↓

↑これは先回の投稿で表示しましたね!

その前に知ってて欲しいのが

「BLMApply」 って便利な機能があるのですがコレはね

前後シリンダーで出たBLM結果に対し「Apply」するだけで

燃料補整の正常化の為のマップ製作に一役買っていて

まずリヤBLMをApplyすると

リヤBLMの結果値に沿ってアルファN(メインフューエル)の値が修正される。

 

フロントのBLMはというと、フロントBLMのApplyすると

フロントシリンダートリムはBLMの値どおりにカーブが変化する、が

アルファN(メンフューエル)テーブルには全く干渉しない。(変更無し)なのだ( ・ω・)∩

フロント側のApplyは兎にも角にもトリム変動のみの頑固一徹なApplyなのよw

 

だけど

 

リヤBLMのApplyはアルファN(メインフューエル)の値変更と同時に

リヤ側の調整幅に沿ったフロントシリンダートリムの変更を行うのだヽ(´ー`)ノ

そう、リヤのApplyはフロントシリンダートリムにも干渉してくる ちょっとウザい存在なのだが

これはとっても大切で重要な要素( ・ω・)∩

 

どういう事かというと

 

フロントのBLMApplyはトリム変動しか起こさないが

リヤのBLMはアルファNもトリムも両方を動かしてしまうのである。

 

ここで、昨日のBLM結果から「リヤだけ」BLMApplyするとフロントシリンダートリムは

どうなるかの画がコチラ↓

 

 

↑めっちゃ「燃料欲っし欲し」の凸したトリム形状になってるでしょ!

これは当然リヤシリンダー側の結果だけを見たからです。

 

この後フロントBLMにもApplyを実行してみましょう!

 

↑先日にも投稿しましたこのフロントシリンダートリムの形状に修まるのです。

 

オイラの車両ではこの形が今回のバランス取りの結果なんです( ・ω・)∩

 

で、良く見て頂きたいのが

製作したトリムの奥にポツンと凸出たスパイク状のセルがありますね。

 

 

この状況を「成」と捉えるか、それとも「否」と捉えるか・・・・・この場合は

「否」 でございます( ・ω・)∩

 

なぜダメかと申しますと

 

走行中にこのセルを通過した時に(瞬間でも)いきなり10数%の燃料が

吹きかけられるんですね。それってどうなる?

一瞬(プスッ!)となったり燃料噴射のムラが出来て途中で息継ぎのような症状の元となるのが

このトリムのスパイク状セルなんすわ( ・ω・)∩

 

それで先回、リヤBLMの結果値で尖った部分の手打ち補整のお浚いを書きましたが

ココでこの技を使ってトリムを滑らかにするんですよーヽ(´ー`)ノ

 

まずは先ほどのスパイク状の部分の回転数とスロットルポジションと同じ部分の

アルファN(メインフューエル)とBLMをピンポイントの「+10%」修正を行ってから

Applyするとね↓

 

↑このように理想的な数値のトリム値になってくれるんです( ・ω・)∩

 

別にフロントBLM側をピンポイントで+10%修正しても同じ形にはなるんだけど

何が違うかは燃料量が違うのよ( ・ω・)∩

 

こういったスパイク状になる原因は元の点火時期に対してAFRが合ってないか

適正なギヤで走ってなかったかが原因。

今回はどちらのBLMでも「削減数値」だったのにアルファNでプラス補整したから

次回の走行では必ずこの2500rpmのTPS15%は赤セルになるだろう。

両方とも削減方向ってことは、今現在の点火時期がAFRに比べ進角し過ぎてるか

それとも点火時期の割りに燃料が多かったかのどちらかですからプラス補整は本来失敗なのです。

が、それが次回の走行で走りに影響が出たならハッキリと点火時期かAFRのどちらかで解決します。

とても遠回りに見えますが、前回のほうが走りは良かったがBLMでは赤セルでした。

燃料調整は合ってないけど走りは良好って場合は設定AFRの変更。

走りは糞だが何故かBLMで燃調は出来てるってならその後の変更は点火時期です。

 

こうやってチマチマ探していったオイラのAFRテーブルは

デイトナ純正のAFRとはまったく掛け離れた形になってしまいましたね( ・ω・)∩

ピンポイント修正の技術を身につける事は、のちの点火時期やAFRを部分変更した時に

大幅にズレたBLMに対しその他のテーブルを修正する為に必要な項目なんですね。

 

 

 

 

 

  あとがき

 

便利な機能のBLMApplyも、使いすぎると迷宮に入ってしまう。

とくにBLM結果でリヤとフロントがあべこべに出てしまった時のApplyは

良い結果にならない事はツインテックの説明書にも確かに書いてある。

どんなテーブルでも。凸ったスパイク状のグラフってのは良い結果を生まない。

補整範囲内の数値であっても、そこを通過した時に燃料がガバっと追加されたり削減すれば

走行の繋がりはけして良くはなく一瞬の失火のような、運転してる側も気になる反応として

記憶に残ってしまいます。

目で見る数値の結果も大事だけど、乗って感じる人間の感触ってのは

かなりの小さな違いも感じる程のセンサーを人間は持っているもんなんですね( ・ω・)∩

しつこく伝えてる3DテーブルのBLMとトリムですが

この後の2Dテーブルを触るようになると

いやと言うほど思い知らされるんですね( ・ω・)∩

難しい課題の始動調整から始動後のエンリッチなどは

3Dテーブルを良く理解して調整する技術がないと敷居が高いかもしれません( ・ω・)∩