「ブラック企業」と戦う青年の図 | 人もエネルギーも大切に ~持続可能な社会を目指して~

人もエネルギーも大切に ~持続可能な社会を目指して~

最近SDG'sという言葉が出てきていますが、これには「持続可能」という意味が入っています。
人間もエネルギーも長持ちできるような世の中になることが願いです。

 東京新聞の記事です。

 違法労働から若者救わねば 相談激増 直談判も

2012年10月28日 朝刊

 いま、働く若者の三人に一人は非正規。経済が縮小する中、雇用の調整弁として利用されている現実がそこにある。一橋大学大学院生の今野晴貴さん(29)は、六年前にNPO法人をつくり、若者の労働相談を続ける。法律に違反する過酷な働き方を強いる「ブラック企業」。うつ病になるまで追い込まれる若者。そこに目を向けようとしない社会。腹立たしさともどかしさが原動力となっている。 (森本智之)

(中略)
 
 始めてすぐ、相談がいくつも舞い込んだ。三カ月の雇用契約だったのに一カ月で突然打ち切られたり、給料を突然減額されたり…。「法律がこんなにも踏みにじられる世界があることに驚いた」

 〇九年夏、就職活動でも人気の大手ITコンサルタント会社の男性が訪れた。入社して数カ月で、うつ状態だった。上司に呼び出され、毎日二時間以上も「おまえはクズだ」と叱られたという。同僚の中には「度胸をつけるために」と駅前でナンパを命じられたり、「日本語がおかしい」と小学生の国語ドリルを数十冊解かされたりした人もいた。深夜の呼び出しなども常態化していた。
 
 巧妙なのは、会社側からクビにしないことだ。精神的、肉体的に追い込んだ上で、辞表を提出させようとする。結局、男性も自主退職を決断した。

(中略)
 
 POSSEが昨年一年に受けた相談は約四百件。それが今年は一千件ペースに激増しているという。上司の言動や労働時間など、記録を付けるよう助言し、それにもとづき今野さんらが会社へ直談判に訪れることもある。生活保護申請の支援や、大学や高校で労働者の権利を守るための出張講義も始めた。



 東京新聞の発行元は中日新聞社なんですね。どうでもいいことですが。

 それはさておき、このように「ブラック企業」問題は根強く取り上げられています。

 しかしながら、殆どの企業トップは他人事のように思っているのではないのか、とも思います。
 
 確信犯的に「ブラック」な会社もあるようですが、大半は「うちには関係ない」、あるいは問題が起こっても「なんでこんなことになるのか」などと言っているのではないかとさえ思います。

 残業をたくさんさせても「仕事が忙しいので仕方がない」、契約社員の期間を短縮したり給料を減らしても「本人の能力が低いのでそうした」、クビにしないのは「解雇の規制が厳しいので辞めてもらうように仕向けた」というように。

 しかし、そのような論理が「ブラック企業」認定を受けるというリスクとなっていることに気づいてもらいたいと思います。

 
 ここで大事なのは、能力が足らないので雇わないという判断をすることも、給料を下げるということも、それだけでは違法という事ではないということ。

 何がいけないのかというと、きちんとした判断基準を決めずに特定の人の胸先三寸で従業員の命運が決まってしまうということですね。

 決まりに従って手順を踏んで行うことがリスク回避となります。

 その決まりが就業規則ということです。この就業規則がなかったり、あったとしても守られなかったりしているのが「ブラック企業」への道を進んでいる会社じゃないでしょうか。


 社長一人では会社は発展しないのです。「人は石垣、人は城」という言葉があるように、従業員あっての会社。

 石の大きさが不揃いであったとしても、積み方を工夫してしっかりした石垣を作ることもできます。

 従業員の処遇についてのルール作りは事業主にとって必須です。自分が精魂込めて育ててきた会社が「ブラック企業」と言われるのは嫌ではないですか?



 技術系社労士?を目指す!-ビル

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