「業務上のケガは自分持ち」を救済へ | 人もエネルギーも大切に ~持続可能な社会を目指して~

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47ニュースの記事です。

制度の谷間、健保で救済へ 仕事中けがの高齢者ら

 厚生労働省は19日、仕事中にけがをしたシルバー人材センターの高齢者らが労災保険の対象にならない場合、健康保険を適用して救済する方針を固めた。健康保険も労災保険も適用されず「制度の谷間」に落ちてしまう人が治療費の全額自己負担を強いられるケースが相次いだため、対策を協議していた。

 厚労省は社会保障審議会医療保険部会での議論を経て、来年の通常国会に健康保険法改正案を提出したい考えだ。

 センターを通じて請負の形で仕事をする高齢者や、インターンシップ(就業体験)中の学生らは、センターや企業との間に雇用関係がないため、仕事中にけがをしても労災保険を受けられない。

2012/10/19 21:04 【共同通信】


 シルバー人材センターは紹介だけで高齢者を雇用しているわけではなく、高齢者が自ら請負あるいは委託として仕事をする形ですから、一人親方のように個人事業主が業務を行なっていることになります。

 それゆえ仕事中に怪我をした場合は、労災は不適用。

 しかし本当の事業主(?)のように国民健康保険ではなく健康保険というのはどういうことか?

 これは年間収入が多くないために健康保険の被扶養者となっているということですね。

 健康保険で業務上災害のケガ治療は給付されませんし、労災は不適用となって全額自己負担になってしまうのが「制度の谷間」。

 学生がインターンシップとして雇用契約を結ばずに仕事をしてケガをしたような場合も同様ですね。

 事業主が雇用している労働者の業務上災害に対して補償する、というのが労災の考え方なので事業主自身のケガは自分で何とかしろということですが、この場合は「本当の」事業主ではなく全額自己負担は厳しいでしょう。

 どのような救済方法になるのか注目ですが、高齢者の方々が安心して仕事できるようになってほしいものです。

 ちなみに、小さい法人では(法人では事業主も健康保険の被保険者となります)労災保険が適用にならない場合健康保険から給付してもいいよ、という通知が厚生労働省から出ていますので、長いですが引用します。

○法人の代表者等に対する健康保険の保険給付について
(平成15年7月1日)(保発第0701002号)(健康保険組合理事長あて厚生労働省保険局長通知)

 健康保険法(大正11年法律第70号。以下「法」という。)は、業務外の事由による疾病等に関して保険給付を行うこととされているため、業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病は、健康保険の給付対象とならない。
 一方、法人の代表者又は業務執行者(以下「代表者等」という。)は、原則として労働基準法(昭和22年法律第49号)上の労働者に該当しないため、労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)に基づく保険給付も行われない。
 しかしながら、極めて小規模な事業所の法人の代表者等については、その事業の実態等を踏まえ、当面の措置として、下記のとおり取り扱うこととしたので、その実施に当たり遺憾のないよう取り扱われたい。
              
     記

1 健康保険の給付対象とする代表者等について
被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者等であって、一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事している者については、その者の業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病に関しても、健康保険による保険給付の対象とすること。

2 労災保険との関係について
法人の代表者等のうち、労働者災害補償保険法の特別加入をしている者及び労働基準法上の労働者の地位を併せ保有すると認められる者であって、これによりその者の業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病に関し労災保険による保険給付が行われてしかるべき者に対しては給付を行わないこと。
このため、労働者災害補償保険法の特別加入をしている者及び法人の登記簿に代表者である旨の記載がない者の業務に起因して生じた傷病に関しては、労災保険による保険給付の請求をするよう指導すること。

3 傷病手当金について
業務遂行上の過程において業務に起因して生じた傷病については、小規模な法人の代表者等は、一般的には事業経営につき責任を負い、自らの報酬を決定すべき立場にあり、業務上の傷病について報酬の減額等を受けるべき立場にない。
こうしたことも踏まえ、法第108条第1項の趣旨にかんがみ、法人の代表者等が、業務遂行上の過程において業務に起因して生じた傷病については、傷病手当金を支給しないこと。

4 適用について
本通知は、本日以降に発生した傷病について適用すること。


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