ハニートラップ | アジアの季節風

アジアの季節風

アジアの片隅から垣間見える日本や中国、あるいはタイを気負うことなく淡々と語る

 1週間程前のニュースだが、産経ニュースにこんな記事が出ていた。

 

中国「海外警察」の元女性幹部が秘書 参院松下新平氏側「関係ない」
2024/2/28 19:13


中国が日本国内の中国人を監視するために設けた「海外警察」の拠点だとして、令和4年に海外の人権団体に指摘された一般社団法人で幹部を務めた中国籍の女性(44)が、元年秋から少なくとも3年まで、自民党の松下新平参院議員(宮崎選挙区)の事務所に「外交顧問兼外交秘書」として出入りしていたことが28日、関係者への取材や訴訟資料で分かった。

 

事務所は女性について「関係ない」としたが詳しい経緯は説明していない。

警視庁公安部は昨年5月、詐欺容疑で東京・秋葉原のビルに入っていた一般社団法人「日本福州十邑社団聯合総会」を家宅捜索。

 

2年7月、経営していた長野県の風俗店を整体院と称し、新型コロナウイルス対策の持続化給付金100万円を詐取したとして、女性を今月21日に書類送検した。(産経ニュース)


 中国の海外警察の問題は、2022年にスペインの人権NGOが、世界50カ国以上、100カ所以上の拠点を持ち、日本の秋葉原にもあると指摘したことから始まった。

 

 その秋葉原の拠点の顧問をしていたのが松下新平議員だったと言うのだから呆れるしかない。

 

 表向きは国外にいる中国人のパスポート更新などを手助けする為とか説明しているようだが、実際には国外の中国人反体制派の監視や強制送還などを行っているようなのだ。

 

 そして勿論スパイ活動もしていたのだろう。

 

 そのニュースは世界的にも大きな話題になり、米国では去年の春それに関与していたらしい中国人2人が逮捕されたというニュースも流れた。

 

 その一方日本の政界や既存メディアでは、その問題は殆ど取り上げられることもなかったので、多くの日本人は多分何も知らないのだろう。

 

 ただユーチューブ動画等ではその問題はかなり話題になっていて、私自身もそれを観て初めてその事実を知り、その後の成り行きにも注目していた。

 

 しかしその後、国会でもその問題が取り上げられたような様子もなく、何の動きもないので忘れかけていた処にこのニュースが飛び込んできた。

 

 やはり日本の警視庁公安部は水面下で密かに動いてくれていたようで、時間はかかったがやっと少し安心した。

 

 ただいくら公安部が優秀でも、日本にはスパイを取り締まる法律がないので、直接その罪で逮捕することは出来ない為、別件で書類送検したという事なのだろう。

 

 何ともまどろっこしい話で、何故さっさとスパイ防止法という、普通の国なら何処にでもある法律を作らないのか不思議でならない。

 

 それにしてもこの女を議員秘書として雇っていた松下新平という議員は飛んでもない奴だ。即刻責任を問うて議員を辞職させるべきだろう。

 

 そのことに関してやっと、国民民主党の玉城代表が、自身のユーチューブ動画で問題点を分かり易く指摘してくれている。

 

 なのでこの問題は今後国会でも取り上げてくれるだろう、と大いに期待している。