100万人に1人の病気 その10 | アジアの季節風

アジアの季節風

アジアの片隅から垣間見える日本や中国、あるいはタイを気負うことなく淡々と語る

 10月19日は○○病院の耳鼻科の担当医師から、私の病状の説明と今後の処置についての説明をしてもらえる予定になっていた。

 

 その前にも私には大体の説明をしてもらっていたのだが、娘も一緒に聞いて色々質問もしたいという事だったので、私の方から先生に希望したものだった。

 

 娘や家内は私が頼りないのを知っているので、言われたことも良く憶えてなかったり、聞かなければいけないことも確かめなかったりしそうなので心配だからだ(トホホ)。

 

 それに対して先生は快く受けてくださったので、その日に娘と一緒に行く予定をしていたのだ。

 

 ところがその前(18日)の夜、先生の方から私の携帯に電話が入ったので何だろうと思ってちょっと驚いた。

 

 で話を聞いてみると、その日の夕方の院内のカンファレンスで、私の場合は放射線治療よりも陽子線治療の方が良いのではないか、という話になったというのだ。

 

 恥ずかしながら医療的な知識の乏しい私は、陽子線治療という事自体がイマイチよくわからないので改めて説明を求めると、先生は分かりやすく説明してくれた。

 

 それによると、陽子線というのも放射線の一種ですが、一般的に言われている放射線というのはX線の事なのでそれと区別しています。

 

 陽子線はX線よりもっと先進的な治療で、私の病気にはこちらの方が後遺症も少なく、よりふさわしいのではないか、という事だった。

 

 ただこの治療をするのだったら結構準備時間も必要なので、1日も早く話をしておいた方が良いと思い急遽電話をしました、という事だった。

 

 そして他に何か聞きたいことはありますかと聞かれたので、いつも聞こうと思って聞き忘れていた私の癌のステージはいくつなのですか、という事を確認した。

 

 すると簡単に言えばステージ3ですが、限りなく2に近い3です、という事だった。うん、やっぱり。

 

 それでそのことを家内と、翌日私と一緒に行ってくれる娘にも電話で話すと、二人共がその治療法は先進医療なので物凄いお金がかかるんと違うか、と口を揃えて言った。

 

 なかにし礼が癌の治療をしたのも確かこれやったと思うで、という話も出た。さすがに私より良く知っている。というか私が知らなすぎるのか(冷や汗)。

 

 それでネットで調べてみると確かにそのようだった。保険適用外なので300万円くらいかかると書いてある。

 

 えーつ!、そんな金出せるわけないやん。

 

 しかしこんな大事な話を先生は全く何もしてくれなかったというのはどういう訳だろう、とまた皆で不思議だった。

 

 そしてもしかしたらこの病気は100万人に一人の奇病なので、病院としてもサンプルを取りたいから治験扱いにしようとしてるんやろか、とまで考えた。

 

 でないと我が家のような貧乏な家で300万円もかかるような治療など出来る訳がないのは、病院だって保険証を見れば直ぐ分かるはずだからだ。

 

 という事で多分そうだろう、という結論になり、翌日病院に行った時に先生にまずそれを確認しようという事になった。(つづく)