百人一首で有名な和歌。
小中時代、熱心な国語教師に教えられた生徒は、今でも百人一首を暗記していることでしょう。
お正月の遊びと言ったら「百人一首」だった時代もありました。
私が小学生時代、1つ先輩の男の子が近所にいたのですが、チビでカッコも良くなかったので、私は全く興味なく(凄い告白!)
彼が私のことを思っているなんて知る由もなかったのですが、お正月休みの日、彼は中一になってましたが、「百人一首」をやらないかと彼の家に誘われたことがあるのです。
近所だし、親もよく知っている家だったので、友だちと出かけたのです。
それまで実は、私は「百人一首」のカルタ取りなんてしたことがなかったのです。
それも新鮮でした。
しかも彼の家のカルタは本格的で確か「板」で出来ていたと思います。
彼の男兄弟とカルタ取りが始まると、その板のカルタがピューンって畳を滑って行くのです。
そう、手でポンと押さえるのではなく、手で瞬時に払うのです。
もうビックリでした。
こういう世界があるのだということを初めて知ったのです。
しかもその彼は、とてもうまくて、その時も1位でした。
それまで鼻の先にもとめていなかった(常に上から目線)その彼を見直したということを思い出したのが、日曜夜のNHKTVの
『光る君へ』
どういう展開かと思ったでしょ(笑)。
吉高由里子演じる後の紫式部の半生を描いた大河ドラマです。
この時代の資料はあまりないので、物語は作り放題かもしれませんが、今のところなかなか面白いです。
今回のドラマの中で「歌会」が行われ、そこに当代きっての優秀な若者の貴族が集まるのですが、藤原道長もその一人です。
藤原道長と主人公まひろ(紫式部)は、お互い思い合っている仲です。
身分違いや母親殺しなどがあって、当然ながら結ばれぬ仲なのですが、その二人がたまたま「歌の会」で会うのです。
そこで披露された道長の歌が話題になってるんだとか。
伊勢物語の和歌
「ちはやぶる 神のいがきも超えぬべし
大宮人の見まくほしさに」
の本歌取りをした道長の歌が話題になった理由。
つまり、「大宮人」のところを「恋しき人」に言い換えたのです。
「あなたに逢いたい気持ちで 神聖な境界さえも超えてしまいそうだ」
というのが現代訳だそうです。
つまり、道長のまひろへの恋文だったと言うわけです。
やっぱり、ラインで「好きだよ」ってスタンプ押すより、こういう回りくどさが、心を掴みますよねえ。
って、オバチャンは、一人ニヤケておったのでございます。