朝、一番に入った訃報。
なんと行きつけの鮨屋の奥さんが亡くなられたのだ。
ほんの1週間前に、誘われてフキ採りをご一緒したというのに。
思えばその時、いまいち元気がなかった。
「ご飯が食べれなくてねえ~」
「それ、大変なことじゃないの」と私。
「だって食べるとみーんな下痢しちゃうんだもの」
この日のフキ採りも前日に突如電話がかかってきたのだった。
その2,3日前だかにご主人の方が倒れて救急車で運ばれたばかりだった。退院して来たら、奥さんが「フキ採りに行こう」とご主人に言ったそうだ。ご主人の方が、「ぼくは来たくなかったんだけどね」と苦笑いしていたくらいだった。
私は奥さんより、ご主人の方を心配していたのに。
仲のいいご夫婦だった。
奥さんも働き者で、群馬の田舎育ちのせいか、野菜のくずさえも美味しいものに変える、そんな人だった。
カウンターに座ると、奥さんが漬けた「漬物」やら「らっきょう」やらが出てくるのだ。
春になると、様々な山菜の天麩羅が出てきたりもした。
アットホームなお店だったので、いつも常連客で賑わっていた。
「タケノコご飯」は常連客への手土産になっていた。
ご主人は生粋の寿司職人。
職人らしい頑固さもあったが、明るく社交的な奥さんをいつも暖かい目で見ているって感じだった。
奥さんもご主人を頼りにしていたけど、ご主人も奥さんを頼りにしていた。双方依存しあっていたご夫婦だったといえる。
このご夫婦とは3回ほど一緒に旅行に行っている。
2年前に奥さんが膵臓を壊してからは、旅行も遠のいていた。
それでも「今年こそは」と約束していたのに。
お酒が大好きだった奥さん。
お酒で膵臓壊したというのに、なかなかお酒が止められなかった。
とても気丈で正義感の強い奥さんだったけど、お酒だけはどうしても止められなかったみたい。
なのに、ご主人は対照的にお酒が飲めない。
夫婦二人でやっているお店だったので、奥さんが亡くなったら、どうなるのだろう。
ご主人も心臓のバイパス手術をしているので、無理は出来ないだろうし。
夜、夫と二人で通夜に出かけてきた。
ご主人、すっかり意気消沈されていて、思わず涙が出てしまった。
「気を強く持ってくださいね」
と声をかけるのが精一杯だった。
奥さん、享年66。
合掌。
今日はナニサマも帰ってきた。
夕食を早目に済ませて、ナニサマに通夜に出かけることを告げた。
またまた
「何時に帰るの?」
「早く帰ってきてね」
「遠いところなの?」
と、しつこい質問が始まった。
それを聞いた夫、
「おばあちゃん!通夜なんだよ!通夜!わかるよね」と。
「ハイ・・・・・・」
「遊びに行くんじゃないんだから、終わったらすぐ帰るよ」とも。
7時半に帰ってきたら、ナニサマ、すでに寝ておりましたわ。(笑)