いくつになっても、なかなか卒業できないのが「物欲」。


うっかりしてたら、今年、住民税の督促状が来てしまった。

払いに行こうとしたら、娘が、コンビニで払えることを教えてくれた。

しかも、多額の現金を持っていて、貸してくれた。


その借りたお金を、娘に返したら、娘、お札を数えだした。

その光景を、母は、横でじっと見ていて、何を言い出すかと思ったら、

「私も、そんなふうにお金が欲しいわね。」と言ったのだ。


「おばあちゃん、お金どうするの?何に使うの?」

とたずねたら、

「洋服が買いたい。」と言うのだ。


夫、「買ってくれば」と言ってお金を渡した。

母は、戸惑っていた。

「△△(弟の名前)が、お盆に来たら、連れて行ってもらえば?」

と、夫が言うと、またすねたことを言い始める。

「お盆は、ショートステイで、行けないわね。」

ショートステイに行くのは、16,17日で、弟たちが来るのは

13日ごろである。

恨み言を言うのが、だんだん得意になってきましたね。


「そういえば、おばあちゃん、まだ○○山(母の家)に服がたくさん

あったところを見つけたわ。多くて放置したけど。」

「ああ、やっぱりあったわね。○○山に連れてってくれんかね。」

退院してから一度も行ったことのない家に、服を取りに行くって

どういう人かね、「物欲」のかたまり。


「あれ、全部持ってくるつもり?」

「どこにしまうの?こちらで買ったものもたくさんあるから

タンスも押し入れも満タンですよ。」

「○○さん、着れそうな物だけ選別して持ってきてくれんかね。」だと。


私は、もう完全に切れました。


「おばあちゃん、行って帰ってくるだけで1時間、この暑い中、

納戸の中で、服の選別ですか?冗談じゃない!私はいやです!」

「しかも、おばあちゃん、そんなに服ばかりいっぱい持ってきて着るの?

買ってあげたって着ないじゃない。いつも着ているものは同じ服ばかり。

違うのも着たらって言うと、これが一番着やすくていいって言って、おんなじ

服ばかりじゃない。それなのになんでそんなに服、服って欲しがるの!」


あまりの剣幕で怒ったものだから、おばあちゃん、もうそれ以上

何も言わなかった。

それにしても、母の服に対する欲望はすごい。

おしゃれなんだと思うが、本人はちっともおしゃれには見えない。

着こなせないんだ。きれいな服を買っても、着る段になるとおじける。

「これ、着たら?」と言うと、

「ちょっと派手じゃないかね。」と言う。

あのー、それ買ったの、あなたですから、着ないんだったら買うのおやめに

なったらって言いたくなる。

ちょっと病的。

はっきり言って、8割がそんな服である。

母の家のタンスを開けると、いい服がいっぱい入っている。

着ているところ、見たことないんですけど。


おそらく、母は買うことが趣味なんだと思う。

買い物大好き。

旅行に行っても、母は必ずみやげを買ってきてくれた。

母の妹の叔母が、

「ねえさんは、最後まで買い物していたよね。」と言っていたことを思い出す。


母の「服がほしい」は、もうお経のようなものだ。


「なむあみだぶつ、ふくがほしい、なむあみだぶつ、ふくがほしい・・・・」