リハビリとか科学とか合気道とか

リハビリとか科学とか合気道とか

気楽にリハビリとか科学とか合気道とかその他興味があることについて書いています。

手に触れていない状態でも反応する神経細胞、そんな不思議なお話です。


視覚野の細胞は外界の情報に反応する

当然ですよね

でも本来身体の表面に触れた時に反応する感覚細胞が触れていなくても反応する。

経験的には分かるけど不思議です。

「バイモーダルニューロン」

と呼ばれています。

「バイラモーダル=2つの、双方の」です。

2つとは視覚と体性感覚。

場所は主に頭頂後頭連合野。

発見したのはIriki A 1996

サルを使った実験。

サルに熊手を使って餌を取り寄せるよう訓練。すると腹側頭頂間溝のすぐ傍らのニューロンが活動することを発見。手の再現に関わっていたニューロンが熊手に反応するようになった。道具に身体図式が延長したということです。

これは見ているだけでは生じす、道具を使用することで生じた。さらに近接空間に物が入るのをサルがみるとニューロンが興奮した。視覚にも触覚にも反応するのでバイモーダルニューロン。


日常的には、お箸の先で物を感じたり、車の車幅感覚のようなものですね。

視認した段階で事前に触れる感覚を予測しているともとれます。

事前に活動すると運動も事前に備えれます。

ヒトの認識は神経伝達速度やシナプスの伝達時間もあって現実よりおよそ0.5秒程度遅れていると考えられてます。

それでも現実の事象にタイミング合わせられるのは予測しているから。この予測に関わるメカニズムの1つかもしれません。


道具の使用だけでなく、スムーズで現実の事象に遅れない運動機能を目指す上で欠かせない知見です。

また見た感じで触感を想像出来たり、目を閉じて何か触っても形が目に浮かんでくるといった感覚種別間の情報変換にも見解を与えてくれます。


飛んできたボールを受け取る時、

箸で料理をつかもうとする直前、

そんなことを想像してみてください。

きっと脳の病気の解釈が大きく変わるはずです。

私たちは動いていなくても動きを想像することが出来る。

想像の中の動きなのでイメージ。

動きなので運動。

合わせて運動イメージ。


運動イメージには大まかに2種類ある。

1つは見た感じ。視覚イメージ。

もう1つは動きの感覚。体性感覚イメージ。

腕を上げる姿をビデオのよう想像することもできるし、実際にいままさに上げていく感覚も想像できる。


運動イメージは心理学的な概念なので発見者や提唱者というよりは、考えていく上で生まれてきた概念。

ただ主観的なのでいわゆる科学では扱われることは少なかった。


リハビリ分野で芽が出始めたのは運動学習が注目され始めた時。スポーツ分野等で行われていたイメージトレーニングが有効であることが認識され始めたから。

そこから探求、研究が進み現代に至る。


実は運動イメージの時の脳内活動と、運動を企画する時の活動部位は類似している。なので運動のプログラム段階と遠心性コピー等で得られる内的な感覚が表象化されたのが運動イメージといえる。


脳の障害では失行症と呼ばれる感覚統合から運動のプログラム段階での問題が存在する。運動イメージの概念を利用することで病態の解釈が進みアプローチが示唆される。


また実際に動いている感覚を想像する時、自分の身体のイメージが土台になっている。なので運動イメージは身体図式や身体イメージを基礎としている。


手元の書籍で紹介されている研究者の中からいくつか紹介。

Ingvar、Philipson 1997

  ゆっくりとしたリズムでの手の開閉イメージで運動前野と前頭葉の血流が増加。

Roland 2002 PETを用いた研究

 単純な運動では運動野と感覚野が活動

 系列的な運動では運動野と感覚野に加えて補足運動野と前運動野に活動。さらにイメージするだけで補足運動野に活動。

Henry Head/Gordon Morgan Holmes

1911

脳が持つ無意識の地図。

身体の運動や体位の変換、それらの発達や学習を通して、恒常的な自分自身の身体像が形成される。

(個人的には出生時には発生時から胎内で形成されたベースとなる身体像はあると思うので遺伝的も含めたい)


意識していないけどなんとなく把握して操作している身体感って感じ。

例えば唇や背中は見ることはないけどなんとなく操作出来てる。


ちなみに身体をイメージすると身体イメージ。身体イメージはなんとなく把握している身体を元にしているので身体図式が基盤。なので身体図式を表象化したのが身体イメージと言える。


イメージは情報統合過程でもあるので矛盾した表現にもみえるが無意識の処理も含まれる。


脳の障害では身体の視覚情報や感覚情報、記憶や言語の間で情報変換出来なくなることがある。

また身体は無意識に使えていても身体をイメージ出来ないと言う方も多々居られる。足が爪楊枝のように細く感じる、倍くらい太く感じると言う方もおり、本当に太い足、細い足のように扱われることも多い。

臨床をみると身体イメージと身体図式は分離しており、それぞれで考えた方が良い。