この物語は 会社シリーズです

尚、ヤンデレ 狂愛 歪んだ愛 などが入った大人向けの恋愛小説となります
本来のイリコトの世界とは全く違います(嫌な方とお子様はお戻り下さい)



入江さんのマンションを出てから あたしは宛もなく歩き続けた


目から涙が勝手に流れてくる


『もうダメ、、、あたしの一番大切な人を失った、、あたしにはもう何もない…生きていたくない、、入江さん、、どうして?あたしの何が悪かったの?』


あたしは心もそして何故か身体も痛くて どうしようもなかった



「琴子?琴子じゃない?」


あたしを呼んだ女性は真里奈だった


「真理、、奈?」


真里奈はあたしを見て驚いた


「えっ!?ちょっと琴子どうしたの?何で泣いてるのよ?」


「真里奈ー・・・・」


あたしは真里奈の胸の中で泣いた
今のあたしは1人では居られなかった



それから真里奈は自分の家にあたしを連れて行ってくれた

真里奈は仕事終わりに買い物に行った帰りにあたしと偶然会ったらしい


「真里奈、旦那さんは?」


「アイツなら夜勤だから大丈夫だよ」


真里奈の夫の船津誠一さんは29歳
斗南病院の内科医 かなり優秀らしい


「で!?琴子一体何があった訳?私に話な?」



あたしは入江さんの事を全て話した 前から真里奈だけは入江さんとの事は度々話していたから 楽に話せた


「許せない!!何よ!ソイツ」


真里奈は机を叩きながら怒っていた


「琴子を散々抱くだけ抱いて挙句の果てには社長令嬢と婚約したから潮時だと!?何よそれ?ふざけてんの?女を馬鹿にし過ぎじゃない?」


あたしはひたすら泣くしか出来なかった


「それで?琴子あんたこれからどうするのよ?ソイツ会社の上司なんでしょ?」


「うん、、でも彼は部長だからあたしみたいな平とはめったに顔合わせないから」


「でもさ、同じ会社に居て絶対会わない訳ないじゃん。琴子は会社を辞めるとかは考えてないわけ?」


「うん…正直今何も考えられないよ。あたし…どうすれば良いの?」


あたしは興奮気味に泣きながら話した


「あた…あたしが死ねば良いのかな?それとも土下座でもすれば彼は戻ってくれるの?ねぇ~真里奈教えて?どうすれば良いの?あ、あたし…あの人を失って…生きていけないよ…苦しいよ…う…あー・・・・」



バチーン


真里奈はあたしの頬をひっぱたいた


「ふざけんじゃないわよ!何で?なんで琴子が死なないといけないの?なんで?琴子がそんな奴に頭を下げないといけないわけ?」


「真里奈」


真里奈はあたしの為に泣いてくれた


「琴子!死ぬ気があんなら、生きな!生きてソイツに復讐しなよ!」


「ふ、復讐?」


「そう、例え復讐が無理でもソイツに一矢報いたいと思わないと・・・琴子、、このまま都合の良い女のままで終わって良いの?あんた、本当にそれで良いの?」


真里奈の目は真剣だった

真剣にあたしの為に怒ってくれた


「でも…復讐なんて…」


入江さんに復讐!?

あたしにそんな事出来るわけないよ
まだこんなに好きなのに…


「まぁ、、優しいあんたにそんな事出来るとは思わないけどさ、良く考えな。あたしは琴子に協力するからさ」


「うん…」


「それに・・・・!!ねぇ~ソイツの名前入江だよね?」


真里奈は何か思い出したようにあたしに聞いてきた


「うん」


「下の名前は?何歳?」


「直樹、、入江直樹、、今年で29歳だよ」


「やっぱり!!」


真里奈は部屋から出て行ってから別の部屋からアルバムを持ってきた


「コイツでしょ?」


真里奈は入江さんの大学生の卒業アルバムをあたしに見せた


「入江さん…どうして!?」


「家の旦那と同い年で同じ大学だもん」


「えー!?」


「私の旦那の船津誠一は東大卒なの。しかも入江直樹とはライバルよ。と言っても誠一の一人相撲だけどね。誠一はエリートで頭が良くもちろんお金もあるけど…唯一入江直樹にはどうしても勝てないのよ。だからいつも2番なの。その事を根に持っていてね。時々キレるのよね~」


あたしは真里奈とは高校から同じで大学も同じだったけど…真里奈の恋愛までは知らなかった

だから船津さんが医者と言う以外を今日まで聞いてなかったのだ


「だからね、もし、、琴子が入江直樹に復讐したくなったら誠一は喜んで協力するわよ。もちろん私もね」


「真里奈・・・・」


「気が変わったら連絡して。旦那に会わせてあげるからさ」


「ありがとう真里奈」




あたしはその日真里奈の家に泊めて貰い 次の日 あたしはやっとの事で会社に行った


会社では耳をふさぎたくなるほど入江さんの婚約話で持ちきりだった


『もう…イヤー、、耐えられない…こんな事が続くの?あたしが会社を辞めればこの苦しみから解放されるの?』


あたしは食欲もなく 仕事すらまともに出来ないほど心身とも参っていた



夕方から雨が降ってきた・・・・



あたしは天気予報なんて見なかったから傘を持って来なかったの

会社を出てから雨に打たれながら歩いた


「凄い雨…本当、、、まるで何処かのドラマみたいね…前ならこんな雨の日には居てくれたのにな…」



そう…

3ヶ月前の雨の日 あたしはこんな風に会社が終わってから雨に打たれた
あの日は あたしはあの人の家に行くつもりだったから 濡れていても平気だったの



会社から出て少ししたら


「馬鹿か?」


「入江さん…」


彼はあたしに傘をさしてくれた


「お前は天気予報を見なかったのか?今日は夕方から降ると言っていただろうが!?」


「すみません、、、朝はバタバタしていてテレビを見ないんです」


「にしても、折り畳みぐらい社に置いておけよ」


「はい」


「タクシーで帰るぞ」




………



あんな些細な彼との時間があたしには宝物だった


『もう…あたしに傘を寄せてはくれないのよね?』



彼と過ごした三年間は夢だと言うの?

あたしは独りなの?


「いや、、、入江さん…さよならなんていやー・・・・」




その時 まるで 運命があたしに嫌がらせをしているような光景を目の当たりにした


ちょうどそこは ちょっと洒落たカフェの前だった

店から出る2人の男女


「い…入江…さん…とあの人は…」


大泉沙穂子 あたしから彼を奪った女



「直樹さん、こんな素敵なカフェに誘って頂いて嬉しかったです」


「喜んで貰えたら俺も嬉しいですよ」


彼は彼女に自分の傘をさして


「濡れてしまいますよ」


「まぁ、、、直樹さんって本当に紳士な方ですね。わたくし直樹さんのような方と巡り逢えて運命に感謝しますわ」


「俺もですよ。沙穂子さんは完璧な女性ですから」



その言葉を聞いた瞬間 あたしの中に憎悪が生まれた



2人はタクシーに乗って何処かに行ってしまったが…

あたしは2人を乗せた車を後ろから激しく睨みつけた


「アアアァァァァァッ!!」


あたしは雨に打たれながら大声で叫んだ どんなに叫んでも あたしの声は雨で打ち消された


「許せない!!」



誰かに聞いた事がある

愛情の反対は 本当は無関心だと

だったら?この感情は?



愛情も憎しみも所詮同じ執着



あたしはバックの中に入っていた携帯を取り出し 電話をかけた


「もしもし、、真里奈?」


あたしは真里奈に電話をした


「琴子?どうしたの?」


「今仕事中?」


「いや、もう終わったけど…どうしたの?」


あたしは涙を流しながら話した



「船津さんに会いたいんだけど、時間とってくれる?」


「良いよ、、、琴子…決心出来たわけ?」



「うん・・・絶対にあの2人を結婚なんかさせない!」




あたしの中に生まれた感情


愛しているから 許せない


思い出になんて させない







このドラマの歌詞は

五輪真弓の さよならだけは言わないで です



琴子の逆襲編に入りました(笑)

琴子はこれから狂います!

内容が深い作品はアメンバー設定に致します



狂愛に理解出来る方 原作のイリコトのイメージを壊しても大丈夫な女性の方のみ アメンバー申請をお願い致します



次回をお楽しみに( *´艸`)