もらい事故 | My Blog

My Blog

Blog, for myself

こちらイタリアはイースターブレイクに突入しました。


3週間近くの休暇です。わほーーい。


浮かれる余裕もなく論文の執筆に充てたいと思います。


今日はその第1日目。


同居人が出かけて一人で家にいたときのこと、玄関のベルが鳴った。


いつもなら無視しておくんだけどすんごいしつこく鳴らされて、とりあえず見に行ってみることに。


のぞき穴から見ると黒人女性とポリスっぽい制服を着た男性2人が見えた。


すぐさまパオロの元カノだと気付き、でも知り合いではないのでとりあえず「だれですかー」って英語で聞いてみる。


イタリア語でなんか返事されて、ちょっとドアを開けつつ「パオロいないんですけどー」って言ったらもう家の中に入ってきてる。


ちょちょちょちょっ!!待ちなさいよ。


彼女がセネガル人だということは聞いていたので「フランス語話せます?」と一応確認してフランス語で話して見る。


パオロはあなたが来ることは知っているのか、何をしに来たのか、今パオロは出かけてていないこと。


リビングに侵入した彼女は「わたしはパオロの元カノで、ずっとここに住んでたの。だから問題ないし必要な物を取りに来ただけ」というようなことを言ってる。


なんか怖くなって「ちょっと、パオロに電話するから待ってて。何もしないで待ってて」と告げる。


パオロに電話して帰ってきてもらうと、そこから戦争。


出てけと叫ぶパオロ。


自分の物をさっさ返せと主張する元カノ。


たまに口出しする警官。


どきどきしながら立ち尽くすわたし。


彼女はパオロが帰ってくるまでの間に家じゅうを物色し、絵や置物、おそらく彼女のものと思われるサンダルを袋に詰めていた。


しまいには玄関に飾ってあったセネガルのお面や楽器までも。


パオロはそれは自分が買ったものだと言い、彼女は違うと言い張る。


ちなみにこの言い争い、家の中ではなくて玄関先でドアを開け放した状態で繰り広げられていたのでアパート中に響いてた。


パオロは警官に文句を言いつつも経緯を話し、ついには泣き出してしまった。


そして警官にIDの提示を求められた。


ついでにわたしのIDも求められた。


意味わかんなくて「なんでわたしまで?」とパオロに聞くと、一番初めにドアを開けたのがわたしだったかららしい。


ちょーめんどくさ。めんどくさいし、わたし関係ないんですけど。


昔の家だろうがなんだろうが今は違うんだし、そこにアポもなしで突然やってきて入り込んでほしいものだけ持っていくなんて結構犯罪に近いんではないだろうか。


とは言っても彼女は警官を携えてる。でも役に立たなそうな警官だったなー。


そもそも、パオロの元カノ問題は今に始まったことではない。


わたしが入居した当初からずっと聞かされていた。


彼女は鍵を返さない、パオロのところに来ては必要なものを返せとわめく、新しい彼氏に車を傷つけられた等。


一度なんて、かがんだところを自転車で突かれて鼻を切って病院に行く羽目になってた。


かわいそう、とは思わない。馬鹿だな、とは思うけど。


5年付き合ってようが10年付き合ってようが、終わったんならずるずる連絡なんてしないでスパッと関係を切ればいいのに。


別れた瞬間、彼女に関するものは全部処分すべきだったでしょ。


どうしても重要な書類等があれば弁護士を通じて郵送する。


また後で取りに来るとか言う彼女を甘やかしてるから今日みたいなことになるんだと思う。


もう二度と会わない、連絡先も削除する、それでいいじゃん。


元カノと警官たちが帰っていき、肩を落としながら「なんで俺は君みたいに優しい子と出会えないんだろう」とつぶやく。


わたしの何を知ってるんだと言いたかったが「運がなかったんだよ」ととりあえず慰め。


そういう気が強い女にばかりひっかかり貢いじゃったパオロが愚かだっただけでしょう。


聞くところによるとセネガルまで彼女を追いかけて行ってマラブー(イスラム教の宗教指導者)にお祈りとかしてもらったらしい。しかも相当のお金を払って。


恋は盲目とはよく言ったもんだ。


依存することや貢ぐことに慣れると感覚がおかしくなっちゃう。


人の気持ちなんて変わるものだし別れなんて突然やってくる。


でもいい大人になってあんな罵り合いはしたくないと強く思った。


とにかく、今日はドアを開けてしまったわたしも悪かったけどもう二度と彼女が来ませんように。