一本菊 上-17 | コロリンの御伽草子-2

コロリンの御伽草子-2

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御伽草子 一本菊(ひともとぎく)上-17

(・・・いまにかゝる人は 見ざりき。此としごろ。)
よろずの女を。すさまじくおもひしは。かゝるえんにあはんとての 心
なりと うれしく。わが身のうけられむ事はしらず。うれしき
ことは かぎりなし。いつをいつとまつべき。いまはまぎれも いらばや
と おぼしめすに。神無月一日のことなれば 嵐はげしくふき。つま
戸をざへに ふきあけて。御とのあぶらきえにけり。こはいかに あへ
なくきえぬる。いま又 ひんがしのたいへ。火なんど申さんも。れいのこ
と/\しくもあり。さらば今夜は 御よりならせ給へとて。さえもんのす
けは びやうぶのきはに よりふしぬ。ごんの少将は。きつやうおろし。ひ
め君の。御あとに ふしけり。宮は御とのあぶら きえぬる事。うれし
き事に思召して。かねてより 御かんじをきたる事なれば。たどら
ず いらせ給ひぬ


すさまじ=ここでは「乗り気がしない」の意
まぎれ=紛れ、こっそりすること
つま戸をざへ=妻戸障え、障屏具・屏障具(しょうへいぐ)か?
ひんがしのたい=東の対、どうやら姫君は西の対にいて、東の対から火を借りる。
こと/\しく=事事しい、おおげさである。大層である。
御よりならせ給へ=御寄りならせ給へ
たどらず=辿らず、迷わず

あ~~、押し入っちゃった!
しかし上手く風が吹いて、
大殿油の火が消えたもんだね。
首尾はどうなる??
コロリン師匠