雀報恩の事-5 | コロリンの御伽草子-2

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宇治拾遺物語 巻三 
雀報恩の事-5

近江には、ご存知「舌切り雀」の民話があります。
その元になった御伽草子があります。「すゝめの夕かほ」です。
更に、その元になったのは、「宇治拾遺物語・雀報恩の事」です。
「舌切り雀」の元になったお話・5回目を、お楽しみください。

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(・・・又うち/\(打々)しけれは 三打折)
ぬ いまはかはかりにてありなんと思て 腰折たる雀三計 桶に
取入て 銅(あかがね)こそけてくはせなとして 月比ふる程に みなよく成
にたれは悦て ●(そ・欠字)とに取いてたれは ふら/\と飛てみないぬ いみし
きわさしつと思ふ 雀は腰打おられて かく月比 こめ(籠)を(置)きたるを 
よに ねた(妬)しとおもひけり さて十日斗ありて 此雀とも きたれ
は 悦て まつ口に物や くはへたるとみるに ひさこのたねを 一つ
つ(づつ) みなをと(落)していぬ されはよと うれしくて とりて三ところに
いそき植てけり れいよりも する/\と 生(おい)たちて いみしく
大になりたり 是はいとおほくもならす 七八そ なりたる 女 え
み(笑)まけてみて 子ともにいふやう はか/\しき事しいてす(しいでず)
と いひしかと 我はこの隣の女には まさりなんといへは けに
さもあらむとおもひたり これは かす(数)のすくなけれは 米
おほくとらんとて 人にもくはせす 我もくはす 子ともか


えみ(笑)まけ=ゑみまげ、笑顔をつくること

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