雀報恩の事-4 | コロリンの御伽草子-2

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宇治拾遺物語 巻三 
雀報恩の事-4

近江には、ご存知「舌切り雀」の民話があります。
その元になった御伽草子があります。「すゝめの夕かほ」です。
更に、その元になったのは、「宇治拾遺物語・雀報恩の事」です。
「舌切り雀」の元になったお話・4回目を、お楽しみください。

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(・・・かう/\ こしおれた)
る雀のありしを 飼生たりしを うれしと思けるにや 瓢※の種を一も
ちてきたりしを うへたれは かくなりたる也といへは そのたね たゝ一たへと
いへは それに入たるこめなとは まいらせん 種はあるへきことにもあらす
さらにえなん ちらすましとて とらせねは 我もいかて腰おれたらん
雀見つけてかはんと おもひて目をたてゝみれと こし折たる雀
更にみえす つとめてことに うかゝひみれは せとのかたに米のちり
たるを食とて 雀のをと(踊)りありくを 石をとりて もしやとて う
ては あまたの中に たひ/\うては をのつから 打あてられて
えとは(飛)ぬあり 悦てよりて 腰よく打折て 後に取て物くはせ
薬くはせなとして をきたり 一(つ)か徳をたにこそみれ ましてあま
たなれは いかにたのしからん あの隣の女には まさりて子とも
に  ほめられんと思て この内に米まきて うかゝひゐたれは 雀
とも あつまりて食にきたれは 又うち/\(打々)しけれは 三打折

たゝ一たへ=ただ一つ賜べ
せと=家の裏口。また、裏門。背戸口(せどぐち)。

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