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小 町 草 帋
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(・・・くれはとり。)あやはかなきみの いつか身の ゆくゑを とをたうみ。さよの 中山 こえやすし。うきにも かこつは いのちなりけり草のまくらに かたふきて
たびねするこのした露のそでにだにしぐれぬるなりさよの中やま
と。ゑいじけるこそ やさしけれ。いかなる つみのむくひにて
かゝる うき身の たびをするがなる。うつのやまぢをこえにけり。むかしは 夢か うつゝの 山ちを。あともみ●(え)ぬ つたの ほそみち かきわけて。くさの●(た)もとも しほれけり。今は また なにをか身にも まとへんと。なく/\おきつの はまちどり。きよみがせきに つきにけり。ふじの たかねに たつけふりを ながめ。こぎゆくふねをみほのうら 松はら こゆる
あやはかなきみ=「くれはとり」を受けて「あや」。「あやはかなきみ」は、文無し儚き身か?
とをたうみ=遠江、問う身
さよの 中山=小夜の中山、静岡県掛川市佐夜鹿に位置する峠
かこつ=託つ、不平を言う、口実にする、かこつける
たびをするがなる=旅をする、駿河なる
うつのやま=するかなる うつの山への うつゝにも ゆめにも人に あはぬなりけり
伊勢物語9段
なく/\おきつの=ことゝへよ 思おきつの はまちどり なくなくいでし あとの月かげ
新古今934定家
みほのうら=三保の浦、静岡県清水市清水港の海岸、舟を見るに掛かる
御伽草子が書かれたときは、
富士山は煙上げてたのかなぁ~?