小町草紙-28,29 | コロリンの御伽草子-2

コロリンの御伽草子-2

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よろしくお願いします。

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小  町  草  帋

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(・・・よそながら みし)
文もあり かせのたよりの 文
もあり。ほそたに川の。まる
きはしの ふみもあり。むろ
の やしまに。たつけふりの
文もあり。墅中のしみづと。
かきたる ふみも有。ゆきの
したかさねの。くれなゐぞ
めの ふみもあり。山ほとゝぎす
きかまほしさは。一こゑをと。
こひそめし みづからが。お
とろひはてたる。ありさま
たとへんかたなき 心なり

とて。また そでを おほに
をしあてければ。なり
ひら むかしを。しのび給ふな
よ。あふは わかれの はじ
め。たゞ みづのあはなる世に。
なにごとを いまかたり給へり
ふみの かずを うちわすれ
おもひしことを。はらひす
て。なむさいほうごくらく
せかいへ。むかへさせ給へと。ねん
じ給ひて。わが くげんをも
のがれ。なれにし なさけの人

ほそたに川の。まるきはし=わがこひはほそたにがはのまろきばしふみかへされてぬるるそでかな
   平家物語 巻9
むろの やしま=室の八島、下野の国の総社、大神(おおみわ)神社。そこにある池からは絶えず水気が
   煙のように立ち上がっていたのを、かまどから煙が立ち上るのに見たてた。[歌枕]
   朝霞深く見ゆるやけぶり立つ室の八島のわたりなるらむ 新古今集 巻一 34
墅中のしみづ=野中の清水、播磨国印南野(いなみの)にあったという清水。冷たくてよい水であったが、
   のちにぬるくなってしまったという。[歌枕]
   いにしへの 野中の清水 ぬるけれど もとの心を 知る人ぞくむ 古今集 巻十七 887
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ゆきのしたかさねの。くれなゐぞめの=雪の下襲の紅染の
山ほとゝぎす きかまほしさは。一こゑをと=ゆきやらで山ぢくらしつほととぎす
   いまひとこゑのきかまほしさに  拾遺 106 源公忠
なむさいほうごくらくせかい=南無西方極楽世界
なれにし なさけの人=馴れ親しんだ昔の恋人達

「ふみの かずを うちわすれ」
やっと文の数を忘れてくれた。
良かったよ
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