よこ笛草紙-32, 33 | コロリンの御伽草子-2

コロリンの御伽草子-2

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御伽草子・よこ笛艸帋 

イメージ 1

(・・・いづくよりと。とひ)
ければ。横笛と申者にて候
たき口殿に 物申さんと申。よこ
笛と 聞よりも。むね打さは
ぎ。しやうじの ひまより み給へ
ば。すそは露。袖は涙に しほ
れつゝ。誠に。尋わひたると う
ちみえて。しばのとに 立そひ
て。しつ/\としたる有さま也。
いにしへの有様に。なを まさり
てぞ 覚えかる。みれば めもくれ。
心も消入計なり。いづれを 夢
とも 思ひわかず。又 思ふやうは
●●は はしりいで かはる すがたを

一め みせばやとは 思へ共。心に
心を引とゞめ。あはぬうらみは
中/\に。二度 物を おもはせん。
むざんや よこぶえが。みとせ計
の なさけを 忍びて。尋きたる
こゝろざし。何にたとへん方も
なく。たもとを かほに をしあ
てゝ。なくより外の事そなき。
しもの僧 申やう。此寺へは 女人
の まいらぬ所也。そのうへ たき口と
やらんは。聞もならはぬ人ぞか
し。はや/\帰給へとて。しばの
あみどを をし立て。其後 音


●●は=此上は(岩波版より)
心に心を引とゞめ。=自制して
二度 物を おもはせん。=対面して二度、悲しい思いをさせるよりも
みとせ計の なさけを=三年ばかりの夫婦の間柄


勝手な奴だ!滝口殿は。
横笛のひたむきさに、
ただただ可哀想です。
現代と戦乱の時代の、
出家の概念が、
違うんでしょうね。
コロリン師匠おにぎり