よこ笛草紙-30, 31 | コロリンの御伽草子-2

コロリンの御伽草子-2

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御伽草子・よこ笛艸帋 

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(・・・かくこそ ゑいじ給ひける)

 ひとりねて こよひも
   あけぬ 今こんと
  たのまばこそは
   まちもうらみん

と ゑいじて。かねうちならし
やゝありて。ほけきやうの。だい
ばほんを。かうしやうに 讀給へば
たき口と 聞からに。やがて 消
入計(ばかり)に思ひしかど。しばし心を と
りなをし。よろ/\と あゆみよ
り。しはの とぼそを ほと/\と
たゝきければ。うちより。しもの
僧をいだし。いづくよりと。とひ


ひとりね・・・=僧となった滝口殿の哥。
   独り寝て今宵も明けてしまった。
   今夜は来てくれると頼みに思っているなら、待たせている自分を恨んでいるでしょう。
ほけきやうの。だいばほん=法華経の提婆品、提婆達多品、
   法華経二十八品中の第一二品。悪人成仏・女人成仏などを説く。
かうしやう=高声
とぼそ=枢、ここでは戸、扉
ほと/\=戸などをたたく音や、斧で木を切る音などを表す語


滝口殿、こんな哥を詠っていたなら、
修行は大変ですね~
外で聞いている横笛、
よろよろと・・・
かわいそうに。
コロリン師匠おにぎり