よこ笛草紙-18, 19 | コロリンの御伽草子-2

コロリンの御伽草子-2

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御伽草子・よこ笛艸帋 

イメージ 1

(・・・なごりおし)
さは いかばかり。いたはしや横笛
が。われが 思ひたつ事を。露程も
知ならば。いかにかなしむべき物と。
横笛が 心のうち。思ひそめつる
始より。こよひの今に 至まで。
思ひつゞけて よもすがら。つゝ
むとすれど 涙がは。袖のしがら
み せきかねて。ちよを一よと ち
ぎる身の。たれにとてかは鶏の
よふかきに ねをば なきぬらん。
へいしやうの やもめがらすの うか
れごゑ 耳にそふゑて。よも
ほの/\と あけゝれば。

何となく 出立て。笛をは とり
忘たるふぜいにて。枕に置て
出けるが。又立帰 一めみて。又よと い
ひしことのはゝ。何となく いひしか
と。それが限の言葉也。其後
横笛。けふも過 あすも むな
しく待かねて。くるれは かとに
立出。ふけゆく月も もろ共に
たゞすご/\と ひとりゐの。うら
みの 数ぞ つもりける。扨も た
き口。すみぞめに 身を かへて。
年は つもりて十九と申に。さが
の おくに。聞えたる。わうしやう

ちよを一よと=千代を一夜に、伊勢物語22段
へいしやうの やもめがらすの=病鵲の寡婦烏。鵲=かちがらす。
   別れを告げる、夜明けの鳥たちの憎らしさ。
かとに=門に
ひとりゐの=独り居
扨も=ここで段落変え
すみぞめに=墨染めに、出家して墨染めに
さが=嵯峨
わうしやう=次回


遅くなりました。(@_@;)
とうとう横笛をおいて、
出家しちゃいました。
残された横笛、
毎日、毎晩、門に出て、
待つ姿、悲しや>
コロリン師匠おにぎり