よこ笛草紙-16, 17 | コロリンの御伽草子-2

コロリンの御伽草子-2

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御伽草子・よこ笛艸帋 

イメージ 1

(・・・重て申されけるやうは)
さのみ きかれ給はすは 恨申へし
とて。ふけうのつかひ 有ければ
たき口 此よし聞よりも。つく/\
物をあんずるに。此世は かりの夢
ぞかし。かゝる思ひをする事よ。
とうはうさくが 九せんざい。せいわ
うほうが 一まんざいも。なのみ残
りて あともなし。うき世を 物
に たとうれば きしのひたいの ね
なしぐさ。入えの 水に すて を
ぶね。波にひかれて 行ゑなく。
花のうへなる露よりも。あやう
き 人間の しらですむこそ 拙

けれ。たいほんわうの たのしみも
思へば 夢のうちぞかし。か程 かり
なる あだし世に。思ふ。ひとに な
ぐさみてこそ。思ひでとは 成べ
けれ。又いかにせん。おやの めいを
そむかんも つみふかゝるべし。女の
心を やぶれば。一ねん五百しやう
けんねんむやうごうの つみ
たるべし。これを ほだいの心と思ひ
つゝ。殊更 そのよは静に 横笛に
打むかひ。いつよりも むつまし
げなる ふぜいにて。なごりおし


ふけうのつかひ=不孝の使い、勘当の使い
とうはうさくが 九せんざい=東方朔が九千歳
せいわうほうが 一まんざい=西王母が一万歳
たいほんわう=大梵天王
一ねん五百しやう=一念五百生、ただ一度妄想を心に抱いただけで、
  五百回も生死を重ねる輪廻の報いを受けること
けんねんむやうごう=懸念無量劫、もし執念をおこすときは、はかり知れない歳月にわたって
  その苦果を受けるということ


あ~~あ、勘当された!
な、なんだ!菩提心って。
変な心を起こしていないか?
この時代、親の権威はすごいなー。
侍が扶持から離れたら、
只の用無し、恐ろしいね。
コロリン師匠おにぎり