よこ笛草紙-14, 15 | コロリンの御伽草子-2

コロリンの御伽草子-2

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御伽草子・よこ笛艸帋  

イメージ 1

(・・・断りと こそ思ひけれ)
御返事取て帰けり。さて
たきぐち。いまや/\と むね打
さはぎ待給ふ。心の中ぞ 哀
なる。さる程に めのと ひそ●(か)
に 立より。かの文 取出して奉。
たきぐち 是をみて。うれしさ
は 何に たとへんかたもなし。その
後 たび/\ 文共有て。あふせ
の 中となり給ふを。さゝのなかの
ひとふしも 契そむれば。ある
時は 里へ出。忍びて通ふ時も
有。又かせの 心ちと いひなして。
忍び/\に かよはれける。ひよく

れんりの契をこめ。こと かり
そめとは思へ共。ねんらい とし
月 かさなりける。さる程に。父の
もちより 此事を聞て。たき口
を めして宣やう。汝をば いかなる
人の むこにもなし。たがひに
たよりとも 成ならば。見るめも
心やすかるべきに。世になし者
に あひなれ。身をいたづらにな
す事こそ 口おしけれ。やがて
おくり候へと。たび/\ けうくん
しけれ共。用ひず かよふ給へ
れば。重て申されけるやうは


給ふを。さゝの=岩波版「給ふ。をさゝ(小笹)の」
さゝのなかのひとふし=笹の中の一節(臥し)
ひよくれんりの契=比翼連理の契、男女の深いちぎり
かりそめ=仮初め、仮初めの仲、許嫁気分♪
父のもちより=斎藤左衛門大夫茂頼、息子は=斎藤滝口時頼
見るめも心やすかるべきに=親の目から見て安心できるのに
世になし者に あひなれ。=世にあって端者に親しむ
けうくん=教訓

「世にあらんものの聟子になして、出仕なんどをも心やすうせさせんとすれば、
 世になき物を思ひそめて」(平家物語)

笹の節は、笹の臥し。
もう臥しちゃった。(^_^) 
仲良くなったのは良いけど、
親としては反対します。
聟として出仕させ、
将来があるのに、
半者に、恋するなんて・・・
ごもっとも。
コロリン師匠おにぎり